【世羅町】コウノトリのヒナ 足環装着に密着|地球派宣言

大きな翼を広げて空を舞うコウノトリ。

国の特別天然記念物で、野生では一度姿を消した鳥です。

世羅町では4年連続で電柱に巣を作って産卵し、4羽がふ化。

2026年5月29日(金)、巣の周りには大勢の人が集まっていました。

これから高所作業車を使ってヒナの捕獲作業が始まります。

 

巣にいるコウノトリ

 

捕獲作業を行うのは、コウノトリの保護などを行っている兵庫県立コウノトリの郷(さと)公園の研究員。

捕獲は、コウノトリの個体を把握して健康状態などを適切に管理するために必要な作業です。

巣の中を見てみると4羽のヒナは隠れ、親鳥が巣を守るように立っていました。

網を使って飛ばそうとしても、逃げるそぶりはありません。

人間とコウノトリのにらみ合いが続きます。

 

巣の上に立つコウノトリの親鳥

 

兵庫県立コウノトリの郷公園の布野隆之主任研究員は「ここの親鳥は巣の執着心、ヒナへの執着心が高い親のようで、実はあそこまで親が飛ばなかったというのは初めての経験だった。子どもたちを大切にしているいい親なのではないか」と話します。

 

兵庫県立コウノトリの郷公園 布野隆之主任研究員

 

網を構えて約3分、親鳥がようやく飛び立ちました。

驚いてヒナが逃げないよう巣に網をかぶせ、捕獲作業を始めます。

すぐ近くの電柱で親鳥が見守る中、巣の中のヒナを1羽ずつ捕まえ、保定帯(ほていたい)と呼ばれる器具で拘束。

目隠しを施し、専用の箱に入れていきます。

 

ヒナを捕獲する様子(撮影:せらケーブルねっと)

 

少し時間はかかりましたが、4羽のヒナを無事に捕獲。

ここからはテントで待つ福山市立動物園の獣医師らとともに、くちばしの大きさや体重をはかります。

気になるヒナの健康状態を布野主任研究員に聞いてみると、「体重が3.5kgから一番大きいものは4.6kgにも達していた。4羽とも標準以上の体重があるので、かなり健康状態はいいのではないか」と話してくれました。

 

コウノトリのヒナ(撮影:せらケーブルねっと)

 

性別を調べるための採血や、羽毛の採取を終えるとヒナの足に、金属製の足環が取り付けられます。

布野主任研究員は、「コウノトリの個体数をカウントする必要があり、その足環の情報から何番が確認できたという情報がそろうので、しっかりカウントできる」と話します。

 

足環を装着する様子(撮影:せらケーブルねっと)

 

一方、ヒナがいなくなった巣に、親鳥が戻ってきました。

我が子を気にかけるように、作業が続くテントをじっと見つめています。

と、そのとき、上空に2羽のコウノトリが現れ、巣の上を何度も旋回。

布野主任研究員によると「あの個体たちはまだ繁殖を行っていない、営巣地点が確定していない個体で、人が近づいていつもと違う状況で対応に追われている隙を狙って、いわゆる営巣地点を乗っ取ろうとして侵入してきている」のだそう。

 

上空のコウノトリ

 

突如始まった巣を巡る攻防。

くちばしを鳴らすクラッタリングで2羽を威嚇。

最後はオスの親鳥が追いやりました。

そんな中、地上ではヒナの健康観察が終了。4羽を元の巣に戻します。

しかし、またもや親鳥が巣から離れません。

網を使って親鳥を巣から飛ばし、その隙に1羽ずつヒナを戻します。

最後に親鳥が巣に戻ったのを確認して作業は終了です。

 

クラッタリングで威嚇する親鳥

 

足環の装着を終えた布野主任研究員に、コウノトリの繁殖状況について聞いてみると「コウノトリは最大で4羽まで育てますが、今回はその最大の値にあたるので今年は繁殖が非常に良かった、エサの条件が非常に良かったのではないか」と話してくれました。

電柱の巣で育った4羽のコウノトリ。

性別がわかるのは3週間後、そしておよそ1カ月後には巣立ちの時期を迎えます。

 

巣の上のコウノトリ

 

 

 

 

広島ホームテレビ『ピタニュー
地球派宣言コーナー(2026年6月3日放送)

SDGs

 

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