【野生では絶滅危機】マルミミゾウのヒミツ 安佐動物公園のメイとアオに密着|地球派宣言
駆け足で出てきた2頭のマルミミゾウ。
安佐北区の安佐動物公園にいる母親のメイ(推定27歳)と、アオ(生後9カ月)です。
落ち着いた様子のメイとは対照的に、アオは元気いっぱいです。
放飼場(ほうしじょう)を駆け回ったり、体全体でプールを楽しんだりしています。
マルミミゾウのメイとアオ
生まれた当初、アオの体重は99kgでしたが、9カ月たって260kg以上に成長しました。
メイのお乳を飲んで甘える一方で、最近は母親と離れて行動する時間も少し増えてきたそうです。
水遊びをするアオ
そんなアオの1日は、トレーニングから始まります。
寝室にいるアオに、口を開ける、足を上げる、頭を下げるといった行動を繰り返し教えます。
マルミミゾウ担当の栗原龍太さんの号令にアオが応えます。
トレーニングの様子
順調そうに進んでいましたが、しばらく続けていると離れて行ってしまいました。
栗原さんは「アオは飽きやすく集中力が続かないので、すぐに飽きて遊びに行ってしまう」と話します。
離れていくアオ
それでも、栗原さんが名前を呼ぶと元の場所に戻ってきます。
こうしたトレーニングは、信頼関係がなければ成立しないと栗原さんはいいます。
栗原さんは「体が大きいのでゾウにその気がなくてもこちらが大けがをすることがありますし、ゾウとコミュニケーションをとるのが非常に難しかった」と話します。
元の場所に戻ったアオ
ではなぜ、トレーニングを行うのかというと……。
「基本的にトレーニングは、ゾウの健康管理をするうえでゾウに協力してもらっていろいろなことをしていこうと。大きくなってくると上のほうは全然見えないので、その時に頭を下げさせて、頭のほうに異常がないかどうかを見たりするためにトレーニングしている」と栗原さんは言います。
安佐動物公園 マルミミゾウ担当 栗原龍太さん
午後、母親のメイはゾウ舎近くの柵の前にいました。
職員が号令をかけると、大きな足を柵の隙間から出しています。
別の職員がすぐさま足を洗い、鎌やヤスリで足の裏を削り始めました。
柵から足を出すメイ
一体なにをしているのかと栗原さんに聞くと、「彼らは野生では長い距離を移動しながら生活していますが、動物園では移動する距離が短く歩かないため足の裏の皮膚が分厚くなってくる。そうすると関節などに負担が大きくなってくるので、足の裏を削って適正な形や角度に整えてあげる」のだそうです。
足の裏を削る様子
動物園で飼育されているマルミミゾウは、安佐動物公園のほかには海外の1頭だけです。
一方、野生のマルミミゾウは森林伐採や密猟などの影響で絶滅が危惧され、国際自然連合のレッドリストでは「深刻な危機」に分類されています。
エサを食べるマルミミゾウのメイ
動物園でマルミミゾウを育てることについて栗原さんは、「希少な動物を実際にお客さんにみてもらって動物自体に興味を持ってもらったり、自然環境にも興味を持ってもらうという意味では非常に重要かなと思っています」と話しました。
マルミミゾウのアオ
広島ホームテレビ『ピタニュー』
地球派宣言コーナー(2026年5月27日放送)