【広島市植物公園】絶滅危惧種「ヤチシャジン」48年前のタネ 発芽に成功|地球派宣言

色鮮やかな紫色の花が特徴のカキツバタ。

自生に適した環境が減ってきているなどの理由で、広島県の絶滅危惧Ⅱ類に位置づけられる希少な植物です。

何年も生き続ける多年草ですが、最初の数年は花が咲かず、美しい姿を見せてくれるまでに3年程度かかるそうです。

 

カキツバタ

 

約1万種、20万本の植物を展示している広島市植物公園。

技師の山本晃弘さんに、この時期に見られる園内の希少な植物を案内してもらいました。

山本さんは、「園内には県内でも自生地が数カ所しかないようなもの、絶滅が危惧されている植物も多く植栽されている」といいます。

 

広島市植物公園 山本晃弘さん

 

しばらく歩いていくと、斜面に咲く小さな花を見つけました。

ホタルカズラといい、県内では帝釈峡などに自生している植物ですが、全国的には減少している地域もあるそうです。

山本さんによると「広島県内では石灰岩が出ている所や古い地層のある所に偏って見られる傾向があり、1cm程度の小さい花ですが、薄暗い中でも目立つ青紫色をホタルに例えて名前がつけられた植物」なんだそうです。

 

ホタルカズラ

 

さらに進んでいくと、ため池の中に黄色い花が咲いていました。

県の準絶滅危惧種、サイジョウコウホネ。ため池などの水辺に生える植物です。

東広島市の西条盆地などに生育する水生植物で、その名前は地域の名前である西条にちなんで付けられたそう。

山本さんは「この植物が生育しているため池自体が少なくなってきたり、ほかの植物たちに負けてしまって減っているという現状もあるので、今後大きく数を減らしてしまう可能性もある植物だと思っている」と話します。

 

サイジョウコウホネ

 

何気なく目にしている花の中にも、環境の変化などで絶滅の危機に立たされている植物は少なくないと山本さんはいいます。

そんな植物たちを絶滅から救うかもしれない取り組みが、植物公園のバックヤードで行われていました。

 

バックヤードで苗を見せる山本さん

 

山本さんがあるものを見せてくれました。

「ヤチシャジンという植物で、日本では限られた場所にしか自生がなく絶滅してしまった場所もたくさんある植物です。いまから48年前に採取されたタネを保存して、発芽させた状態のものです」と山本さんはいいます。

約半世紀ぶりによみがえった絶滅危惧種のタネ。

実は植物公園では、30年以上前からヤチシャジンの保全活動に取り組んでいて、今回、岡山県の重井薬用植物園がかつて広島県内で採取したタネを植物公園が譲り受け、発芽に成功しました。

 

ヤチシャジンの花(写真提供:広島市植物公園)

 

山本さんは「このタネをとった自生地はすでに無くなっていて、すでに滅んでしまった自生地の個体群が現代によみがえった」として、今回の発芽成功であることが期待できるといいます。

「環境さえ整備されて整えば、そしてタネがちゃんと残っていれば、すでに滅んだ所も復活するかもしれないという希望を与えてくれるのが、この彼らが実際に証明してくれているのではないかと思っています」と山本さんは話します。

 

48年前のタネと発芽したヤチシャジン

 

 

 

広島ホームテレビ『ピタニュー
地球派宣言コーナー(2026年5月20日放送)

SDGs

 

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