【2022年版】キャンプを楽しめる広島の山11選/バスと電車と足で行くひろしま山日記~夏休み特別編~

恐羅漢山のスキー場からキャンプ場のエリア(駐車場の左)を見下ろす(2022年6月18日撮影)

猛暑を避けるために連載をしばらくお休みすると宣言したばかりだが、せっかくの夏休み、「山の日」を前に山の情報をまったくお届けしないのもしのびない。そこで、これまで登った山の中から、キャンプと山歩きを一緒に楽しめる山々を「夏休み特別編」として紹介しよう。麓から頂上まで登るのは厳しくても、遊歩道歩きや滝見物、温泉などを組み合わせるのも楽しい。テントや料理道具、食材などで結構な荷物になるキャンプは「バスと電車と足」では難しいので、車で行くことを前提に11の山とキャンプ場を選んでみた。登山をする場合はくれぐれも気温の上がる日中は避けて下さい。

 

 


比婆山連峰(ひばやまれんぽう 比婆山=1264メートル)&ひろしま県民の森キャンプ場


まずは「ひろしま県民の森」として親しまれている比婆山連峰だ。起点となる県民の森公園センターを取り囲むように比婆山(1264メートル)、立烏帽子山(1299メートル)、竜王山(1256メートル)、毛無山(1143.7メートル)など1200メートル級の山々が並ぶ。県民の森公園センターが約800メートル地点にあるため、標高差は300~400メートルほど。登山道はいずれも整備が行き届いていて歩きやすいが、おすすめは毛無山に直接上るルート。コースタイム1時間15分でほぼ360度の展望が楽しめるピークに立つことができる。天気が良ければ伯耆大山(1709メートル)や日本海も見渡せる。伊邪那美(イザナミ)神の陵墓伝説のある比婆山へは天然記念物ブナの純林を歩いて約1時間半。行くなら早朝の涼しいうちにしたい。

県民の森公園センター(2021年10月30日撮影) 県民の森公園センター(2021年10月30日撮影)

時間と体力を節約するなら1170メートルの立烏帽子駐車場まで車で行っていきなり稜線から歩き始める選択もある。最高峰の立烏帽子山へは急登(30分)だが、山頂を迂回して展望抜群の池ノ段(1279メートル)に向かうルート(南側)や、比婆山を目指して越原越に向かうルート(北側)もある。立烏帽子駐車場の直前で右折すれば竜王山(1255.8メートル)直下の駐車場へ。こちらは車を置いて10分もかからずに360度展望の山頂に立てる。国道183号からはJR芸備線比婆山駅を過ぎて約1キロ、比婆山の標識と鳥居のある分岐を県道254号に入る。山上に向かう道はかなり狭くカーブも多いのでご注意を。

伊邪那美神の陵墓と伝わる巨石(2021年10月30日撮影) 伊邪那美神の陵墓と伝わる巨石(2021年10月30日撮影)

キャンプ場は県民の森公園センターの周辺にフォレストキャンプフィールド(常設テント48張、テントサイト14区画)、ファミリーキャンプ(21区画)、リバーサイドフィールド(8区画)のキャンプエリアがある。キャンプ場で前泊して涼しい早朝に登山を楽しみ、センターの日帰り入浴で汗を流すのもいいだろう。

フォレストキャンプフィールド フォレストキャンプフィールド 写真提供:アグリヒバゴン リバーサイドフィールド リバーサイドフィールド 写真提供:アグリヒバゴン 吾妻山の中腹から見た比婆山連峰(2019年10月27日撮影) 吾妻山の中腹から見た比婆山連峰(2019年10月27日撮影)

 

●アクセス
中国自動車庄原I.C.または東城I.C.から約40分
●キャンプ場情報
住所:〒729-5602 庄原市西城町油木156-14
電話: 0824-84-2020(アグリヒバゴン)
施設:常設テント、テントサイト 用具のレンタルや販売あり
料金:有料。HP参照
HP:https://hiroshima-kenmori.com/camp
●「バスと電車と足で行くひろしま山日記」掲載の「比婆山連峰」の記事はこちら
https://hread.home-tv.co.jp/post-110346/

 


恐羅漢山(おそらかんざん 1346.2メートル)&恐羅漢エコロジーキャンプ場


広島県最高峰・恐羅漢山は、駐車場のある牛小屋高原が登山口だ。山頂を目指すルートは2つ。「夏焼峠コース」は、夏焼峠までが「恐羅漢森林セラピーコース」になっており、森林浴を楽しみながら緩やかな道を歩くことができる。普通に歩いて35分。峠で引き返してもいいし、体力のある向きは山頂までさほど険しくない稜線を歩いて約70分だ。夏焼峠から右の稜線を上ると砥石郷山(1176.9メートル)。頂上の眺望はないが、途中の「砥石郷の肩」と呼ばれる1166メートルの小ピークからは雄大な恐羅漢山の山容を楽しめるのでここまで登ってみる手も。なお、スキー場を直登する「立山尾根コース」は最短ルートだが、傾斜がきついうえ日陰がほとんどないので真夏は避けた方が無難だ。

砥石郷の肩から見た恐羅漢山(2020年9月21日撮影) 砥石郷の肩から見た恐羅漢山(2020年9月21日撮影)

恐羅漢エコロジーキャンプ場は充実した設備のキャンプ場だ。ケビン泊まりから持ち込みテント泊、オートキャンプまで好みに応じて選択できる。手ぶらバーベキューを楽しめるプランもある。

恐羅漢山のスキー場 恐羅漢山のスキー場

サウナも楽しみたい向きは「もりのさうなin 恐羅漢」へ。貸し切り制(150分16500円)なので4人以上なら選択肢になるだろう。円筒型の「ヘルシンキ」(4人用)と三角屋根の「コトカ―」(6人用)の2棟。予約はHP (https://morinosauna.net/)へ。「もりのさうな」の詳しい情報は広島のサウナメディア「37HIROSHIMA」(https://hread.home-tv.co.jp/sauna/)でも紹介している。(ただし真冬のルポです)

 

●アクセス
中国自動車道戸河内ICから国道191号・小板から大規模林道に入って約40分。ナビ任せにすると、戸河内から難路の内黒峠を越えるルートを選択するので注意
●キャンプ場情報
住所:〒731-3801 広島県安芸太田町横川740-1
電話:0826-28-7270
施設:ケビン5棟、オートキャンプ場、区画サイト(スノコや芝生の台のあるテントデッキ)、フリーサイト
料金:有料(料金はHPを参照)
HP:https://www.osorakan.co.jp/summer/
●「バスと電車と足で行くひろしま山日記」掲載の「恐羅漢山・旧羅漢山」の記事はこちら
https://hread.home-tv.co.jp/post-173289/

 


三倉岳(みくらだけ 701.6メートル)&三倉岳県立自然公園キャンプ場


「天を突く三本槍」で人気の山。広島のロッククライミングの聖地でもある。登山者には東から上ノ岳(朝日岳)、中ノ岳(中岳)、下ノ岳(夕陽岳)の3つのピークを巡回するのが人気だが、中ノ岳と下ノ岳の間は2018年7月の豪雨災害以降、通行止めになっている。3峰はいずれも眺望良好だが、巡回ができないことを前提に選ぶなら、お弁当を食べるのにも向いている大きな岩のある中ノ岳に行けるBコースをたどろう。後半の上りは結構きついが、麓の三倉岳休憩所からのコースタイムは1時間半ほどだ。

三倉岳。右から上ノ岳、中ノ岳、下ノ岳(2019年11月23日撮影) 三倉岳。右から上ノ岳、中ノ岳、下ノ岳(2019年11月23日撮影)

キャンプ場はテントベースが83もあり充実している。山火事防止のため地面で直接火をたく直火は厳禁となっているので炊事棟を使うこと。特筆すべきは2カ所のトイレだ。広島県が全国の建築学生を対象に実施している公共建築物の設計コンペ「ひろしま建築学生チャレンジコンペ」の優秀作を実現化したものだ。スリムな柱で支えられた3枚の屋根とコンクリート打ちっ放しの個室を組み合わせた開放的なデザインと、三角柱など幾何学的な造形を組み合わせた外観のユニークな2棟。いずれも清潔で気持ちよく使える。

学生コンペで最優秀作品に選ばれたトイレ(2021年11月21日撮影) 学生コンペで最優秀作品に選ばれたトイレ(2021年11月21日撮影)

 

学生コンペで優秀作品に選ばれたトイレ(2021年11月21日撮影) 学生コンペで優秀作品に選ばれたトイレ(2021年11月21日撮影)

●アクセス
山陽自動車道I.C.から国道186号、県道289号を経て約35分
●キャンプ場情報
住所:大竹市栗谷町小栗林
電話:0827-56-0660(三倉岳休憩所)
施設:キャンプベース83
料金:無料
HP:http://www.city.otake.hiroshima.jp/miryoku/sightseeing/1456039514919.html
●「バスと電車と足で行くひろしま山日記」掲載の「三倉岳」の記事はこちら
https://hread.home-tv.co.jp/post-117597/

 


倉橋火山(くらはしひやま 408メートル)&桂浜キャンプ場&温泉&海水浴


倉橋火山は広島県の最南端に近い倉橋島の名山。四国は指呼の間で、広島市街地まで約30キロ、松山市街地まで約38キロと距離はあまり変わらない。桂浜の登山口から1時間ほどで眺望抜群の山頂に立てるが、真夏の登山は朝の時間を選んでも厳しいかもしれない。それでも瀬戸内海の絶景を楽しみたいと思うなら、手はある。県道35号の宇和木交差点か、宇和木峠から標高390メートル付近、倉橋火山と後火山(455.4メートル)の鞍部にある駐車場まで車で行けるのだ。駐車場から火山の山頂までは木段を歩いて10分しかかからないので負担も少ないだろう。

倉橋火山の山頂から桂浜を見下ろす(2021年12月5日撮影)

桂浜キャンプ場は万葉集の史跡でもある松林の中にある。美しい砂浜では海水浴も楽しめる。宿泊利用のほか、デイキャンプ用の料金も設定されているので日帰り利用も可能だ。近くにある「くらはし桂浜温泉館」(http://katsuragahama-spa.com/aboutspa/)で天然温泉の日帰り入浴ができるのもうれしい。

桂浜キャンプ場のある松原に立つ万葉史跡の石碑(2021年12月5日撮影) 桂浜キャンプ場のある松原に立つ万葉史跡の石碑(2021年12月5日撮影)

●アクセス
クレアライン呉I.C.から国道487号、第二音戸大橋を渡り、県道35号を経て約40分
●キャンプ場情報
住所:〒737-1377 呉市倉橋町422-1
電話: 0823-53-2575(くらはし桂浜温泉館)
施設:テントサイト10、キャンピングカーサイト
料金:有料(HP参照)、要予約
HP:http://icou-kurahashi.com/campsite/
●「バスと電車と足で行くひろしま山日記」掲載の「倉橋火山」の記事はこちら
https://hread.home-tv.co.jp/post-121486/

 


七国見山(ななくにみやま 456.7メートル)&恋ヶ浜キャンプ場&温泉&海水浴


下蒲刈島(呉市)から岡村島(愛媛県今治市)までを7つの橋で結ぶ「安芸灘とびしま海道」の一つ、上蒲刈島の最高峰。広島藩の地誌「芸藩通志」によると、山名の由来は「芸、備、防、長、豊、予等の七国(現在の広島、岡山、山口、愛媛など)を望むべき、故に名づくといふ」とある。山頂付近は樹木が伸びているため、残念ながら名前のような眺望は望めない。数年前の山火事で標高250メートル付近まで焼けており、急傾斜の登山道の前半は日差しから身を隠すところがなく、真夏の登山は厳しい。ただ、標高240メートルの西泊観音堂からの眺めは一見の価値がある。110メートル付近までは車で上がれるので、急斜面の残り標高差130メートルを上る覚悟があれば、熱中症対策をしたうえでトライしてみるのもありかもしれない。(あまりおすすめはしません)

七国見山(2022年2月26日撮影) 七国見山(2022年2月26日撮影)

テント泊のキャンプをするなら恋ヶ浜キャンプ場。海水浴もできる。近くに県民の浜(https://kenhama.jp/)があり、海水浴、天然温泉、コテージ泊が楽しめる。

手前の松林のある砂浜が恋ヶ浜(2022年2月26日撮影) 手前の松林のある砂浜が恋ヶ浜(2022年2月26日撮影)

●アクセス
クレアライン呉ICから国道185号、安芸灘大橋(有料)、県道74号、蒲刈大橋、県道287号線を経て約40分
●キャンプ場情報
住所:〒737-0402 呉市蒲刈町大浦
電話: 0823-66-0597(大浦区・岡本さん)
料金:1区画3000円、要確認・予約
HP:https://www.city.kure.lg.jp/soshiki/67/m000247.html
●「バスと電車と足で行くひろしま山日記」掲載の「七国見山」の記事はこちら
https://hread.home-tv.co.jp/post-140684/

 


極楽寺山(ごくらくじやま 693メートル)&極楽寺山憩の森キャンプ場


徒歩だと相当登りがいのある極楽寺山だが(「バスと電車と足で行くひろしま山日記」第31回参照)、キャンプを楽しむなら車で山頂まで行こう。山上は遊歩道も整備されており、県重要文化財の極楽寺本堂の参拝や最高点、蛇の池周辺の散策を楽しめる。眺望を楽しむなら極楽寺境内へ。境内入口横の休憩所から厳島を眼下に広島湾の多島美を満喫できる。

極楽寺本堂(2022年5月28日) 極楽寺本堂(2022年5月28日)

極楽寺山憩の森キャンプ場は常設テントしか宿泊できない。マイテント派は北麓のアルカディアビレッジ(https://hatsu-navi.jp/visit/camp/arukadia_village_tamokutekihiroba/)のキャンプ場を利用するといいだろう。

展望台から見た広島湾の眺望(2022年5月28日) 展望台から見た広島湾の眺望(2022年5月28日)

●アクセス
山陽自動車道宮島スマートI.C.から国道433号、県道291号を経由して山上まで約20分
●キャンプ場情報
住所:〒738-0031 廿日市市原牛池山533
電話: 0829-31-5656(はつかいち観光協会廿日市本部 平日9時~17時)
施設:常設テントのみ(テント持ち込み不可)、キャンプ道具レンタルあり
料金:有料、要申し込み・予約
HP:https://hatsu-navi.jp/visit/camp/gokurakujicamp/
●「バスと電車と足で行くひろしま山日記」掲載の「極楽寺山」の記事はこちら
https://hread.home-tv.co.jp/post-167795/

 


野呂山(のろさん 弘法寺山=788.6メートル、膳棚山=839.1メートル)&野呂山キャンプ場


広島ではよく知られた山だが、実は「野呂山」という山はない。山頂部が平坦になった地形を、中国地方で俗に「のろ」と呼ぶことから、その地形が通り名となったらしい。東の弘法寺山(788.6メートル)と西の膳棚山(839.1メートル)の間、標高700メートル以上の山上に東西7キロ、南北2キロの高原が広がっている。麓から見上げるとわかりにくいが、広島-松山航路の海上から見ると雄大な山容が遠望できる。JR安芸川尻駅と安登駅から登山道が通じているが、どちらも急登の長い道なので真夏の山歩きには向かない。川尻町から車で通称さざなみスカイラインを利用して涼しい高原に向かおう。

海上から見た野呂山全景(2022年7月29日撮影) 海上から見た野呂山全景(2022年7月29日撮影)

山上はかぶと岩展望台、星降る展望台などがあり、蒲刈諸島から四国まで見渡せる。キャンプ場はよく整備されている。標高770メートル前後にあり、平地に比べると4~5度は気温が低いので快適に過ごせるはずだ。

星降る展望台から見た安芸灘大橋(2021年12月23日撮影) 星降る展望台から見た安芸灘大橋(2021年12月23日撮影)

●アクセス
クレアライン呉ICから国道185号、県道248号(さざなみスカイライン)を経て約50分
●キャンプ場情報
住所:〒737-2631 呉市川尻町板休
電話: 0823-87-2297
施設:オートキャンプ、常設テント、持ち込みテントの各サイトあり。キャンプ道具レンタル可
料金:有料、要申し込み・予約
HP:http://www.norosan.or.jp/camp/
●「バスと電車と足で行くひろしま山日記」掲載の「野呂山」の記事はこちら
https://hread.home-tv.co.jp/post-125581/

 


羅漢山(らかんざん 1108.9メートル)&らかん高原オートキャンプ場


羅漢山は公共交通機関で行くには登山口までのアプローチが長くて大変だが、車でらかん高原まで行けば東斜面から30分程度で登頂できる手軽なハイキングコースになる。山頂からは天気が良ければ瀬戸内海から西中国山地の山々を見渡せる。水分補給の準備を怠らなければ1000メートル級の登山を家族で無理なく楽しめる。

三倉岳から見た羅漢山。雄大な山容だ(2019年11月23日撮影) 三倉岳から見た羅漢山。雄大な山容だ(2019年11月23日撮影)

オートキャンプ場の標高は約900メートルと高いので最高気温も30度を上回らない日が多く、朝晩は20度を切るなど相当涼しい。避暑には絶好だ。少し離れるが、温泉を楽しみたいなら国道186号沿いの道の駅スパ羅漢(羅漢温泉)(https://sparakan.com/)か、深谷峡温泉清流の郷(https://www.go-rakan.com/fukatani)へ。どちらも車なら20分弱で着く。

羅漢山の山頂広場(2020年10月25日撮影) 羅漢山の山頂広場(2020年10月25日撮影)

●アクセス
中国自動車道六日市I.C.、 山陽自動車道岩国I.C.から約45分
●キャンプ場情報
住所:〒740-0903 岩国市錦町大原羅漢699-5
電話: 0827-74-0010(有限会社らかん高原)
施設:オートキャンプサイト 用品レンタルあり
料金:有料、要申し込み・予約。家族以外の多人数の利用には制限があるので必ず確認を
HP:https://www.go-rakan.com/rakan
●「バスと電車と足で行くひろしま山日記」掲載の「羅漢山」の記事はこちら
https://hread.home-tv.co.jp/post-181925/

 


深入山(しんにゅうざん 1152.5メートル)&深入山グリーンシャワーオートキャンプ場&セラミック温泉


草原の山として人気の深入山。春の山焼きで黒くなった山容は、すっかり緑を取り戻している。南登山口から直登すれば45分のコースタイムで頂上に立てる。山頂は掛け値なしの360度展望を満喫できる。ただ、まったく日陰がないので、暑さ対策を入念にしたうえで体力的に無理がなければトライしてみてもいい。「登頂まではちょっと」という方におすすめしたいのが「深入山セラピーロード」(https://morimin.jp/load_shinnyuzan.html)。南西斜面の標高800m〜965mのエリアに広がる約3.2キロの林間と草原の道を歩く。休憩施設や眺望を楽しめるポイントもあり、ファミリーハイキングにも向いている。

春の山焼きから緑を回復した深入山(2022年6月25日撮影) 春の山焼きから緑を回復した深入山(2022年6月25日撮影)

東斜面の麓には「いこいの村ひろしま」(http://www.ikoi-hiroshima.jp/index.php)があり、日帰り入浴ができる。天然温泉ではないが、特殊なセラミックを使った人工温泉でさまざまな温浴効果が期待できるという。宿泊も可。

深入山の山頂。360度の眺望が広がる。正面は臥龍山、右は掛頭山(1125.9メートル)(2022年4月3日撮影) 深入山の山頂。360度の眺望が広がる。正面は臥龍山、右は掛頭山(1125.9メートル)(2022年4月3日撮影)

キャンプ場はオートキャンプ場。デイユースやバーベキュー食材の購入もできる。

 

●アクセス
中国自動車道戸河内I.C.から国道191号で約25分
●キャンプ場情報
住所:〒731-3834安芸太田町松原1-1
電話: 0826-29-0211
施設:オートキャンプサイト
料金:有料、要申し込み・予約
HP:http://www.ikoi-hiroshima.jp/green_shower/html/camp.html
●「バスと電車と足で行くひろしま山日記」掲載の「深入山」の記事はこちら
https://hread.home-tv.co.jp/post-150617/

 


臥竜山(がりゅうざん 1223.2メートル)&聖湖キャンプ場&温泉


ブナ林で有名な芸北の名山。八幡高原の千町原登山口からの標高差は約420メートルあるので、登山をするかどうかは気温と体調と相談して決めたい。ただ、舗装された林道が標高1100メートルの名水・雪霊水の湧出地まで通じているので、ここまで車で来れば残りは標高差120メートルほどで、約20分もあれば登頂できる。頂上は樹林に囲まれていて残念ながら展望はない。

臥龍山全景(2021年9月5日撮影) 臥龍山全景(2021年9月5日撮影)

聖湖キャンプ場は、無料で利用できる聖湖畔のキャンプ場。 広々とした敷地内にはテントサイト(160箇所、約400人収容)、炊事棟や水洗トイレなどが整備されている。天然温泉に入りたい、という向きにはキャンプ場から車で約30分と少し距離があるが、芸北オークガーデン(http://g-oak.jp/hotspring)がある。

臥龍山山頂(2021年9月5日撮影) 臥龍山山頂(2021年9月5日撮影)

●アクセス
中国自動車道戸河内I.C.から車で約30分
●キャンプ場情報
住所:〒731-2551北広島町東八幡原
電話:050-5812-2112
施設:テントサイト、炊事棟、水洗トイレ
料金:無料
HP:http://kitahiro.jp/sightseeing/play.html
●「バスと電車と足で行くひろしま山日記」掲載の「臥龍山」の記事はこちら
https://hread.home-tv.co.jp/post-92888/

 


十方山(じっぽうざん1318.8メートル)&立野キャンプ場&滝見物&温泉


恐羅漢山、吉和冠山に次ぐ広島県第3位の標高を誇る十方山は、頂上の広大なササ原と名の通り十方を見渡せる魅力的な山だ。ただ、吉和側から登ると標高差800メートルを登りきらなければならない。県内の山では白木山と並んで最も大きな標高差なので、この季節に登るとしたら相当な体力と覚悟、準備が必要だ。

トラス橋が架かる瀬戸の滝への遊歩道(2022年4月23日撮影) トラス橋が架かる瀬戸の滝への遊歩道(2022年4月23日撮影)

登山は無理でも、麓には落差49メートル、二段滝の名瀑・瀬戸の滝がある。同じ登山口から標識に従って川沿いの遊歩道を約800メートル歩く。途中にはトラス橋がかかっていてなかなか映える風景だ。4月に行った時には滝の直前が倒木でふさがれて通れなかったが、最近のネットの登山ブログを見る限り、水しぶきをあびることができる滝見広場までは行けるようだ。マイナスイオン浴というのもいいかもしれない。

瀬戸の滝(2022年4月23日撮影) 瀬戸の滝(2022年4月23日撮影)

立野キャンプ場は登山口から車で2分。無料だが、予約と手続きが必要。温泉は女鹿平温泉クヴェーレ吉和(http://www.megahira.co.jp/pc/spa.html)。泉質はアルカリ性単純温泉で、キャンプ場から車で10分もかからない。

十方山の山頂(2022年4月23日撮影) 十方山の山頂(2022年4月23日撮影)

●アクセス
中国自動車道吉和I.C.から約10分
●キャンプ場情報
住所:〒738-0301 廿日市市吉和
電話:0829-77-2114(吉和支所環境産業建設グループ)
施設:テントサイト、炊事棟、水洗トイレ
料金:無料。事前予約必須
HP:https://www.city.hatsukaichi.hiroshima.jp/map/15005.html

●「バスと電車と足で行くひろしま山日記」掲載の「十方山」の記事はこちら
https://hread.home-tv.co.jp/post-160333/

 

《掲載されている情報は取材当時の内容です。ご了承ください》

ライター えむ
還暦。50代後半になってから本格的に山登りを始めて4年ほど、中四国の低山を中心に日帰りの山歩きを楽しんでいます。できるだけ公共交通機関を利用しますが、やむを得ない場合に時々レンタカーを使うことも。安全のためトレッキングポールは必ず携行。年齢のわりに歩くのは速い方です。
■連載コラムバスと電車と足で行くひろしま山日記
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