広島県内の“ポツンと”佇む飲食店をリサーチ！今回、リポーター・大松しんじが向かったのは、広島市佐伯区湯来町。

山あいにポツンと一軒ありました。「ギリシャキッチン＆ベーカリー BaKuRo（バクロ）」。

ギリシャで10年間シェフを務めた店主が、本場の料理を振る舞っています。全国的にも珍しいギリシャ料理と、作り手が変わっても30年以上愛され続ける名物パンのお店です。

「ギリシャキッチン＆ベーカリー BaKuRo」

お店を切り盛りするのは、原田雄二朗さん・恵理子さん夫妻。元々このお店は、叔父・原田整さん・文子さん夫妻が経営していた「ベーカリーカフェBaKuRo」。去年5月、ギリシャ料理のお店としてリニューアルオープンしました。

リニューアル前の「BaKuRo」は、原田さんの叔父、原田整（ただし）さん・文子さん夫婦が1987年に開業。自前の麦畑で取れた小麦の全粒粉のパンを中心に取り扱っていました。

しかし、店主の叔母・文子さんが他界したため、2020年に閉店。当時、独立を考えていた雄二朗さんが、叔父から声を掛けられ、叔母が大事にしてきた全粒粉の手作りパンとその秘伝のレシピを継承しました。

原田雄二朗さん

リニューアルに合わせて、元の雰囲気を残しながら、叔父・整さんと一緒にDIY。木をふんだんに使った温もりある店に仕上げました。

また、店内にはイラストレーターをしている、雄二朗さんの姉・萌さんと、父・一雄さんの絵が飾られています。

原田萌さん　原田雄一さん

でもなぜ、湯来町でギリシャ料理なのでしょうか？雄二朗さんは高校卒業後、海外生活に憧れイギリスへ。一時帰国したときに恵理子さんと出会い結婚。そして、恵理子さんとともに、料理の勉強のためギリシャへ。丸9年いたそうです。

そんな、お世話になった大好きな国・ギリシャ。少しでも発信できたらという思いと、海沿いでギリシャ料理のレストランをやるより里山の湯来でやるほうがインパクトが出るかなと思ったんだそうです。

「BaKuRo」のパンは、麦から手作り。叔母・文子さんのこだわりです。輸入した小麦だと、文子さんのパンは作れない。新鮮な小麦を使うことで、文子さんのパンができるんだそうです。

亡き妻・文子さんのパンを受け継いでくれた二人。使う麦は、叔父と一緒に作る麦畑のものを使用。麦作りを教えるのは、叔父の整さんです。趣味でしかパンを焼いたことが無かった恵理子さんがその味を守り続けています。

叔母に確かめられないので、これでいいのか不安で難しかった。30年以上食べ続けたファンの方が多いのでとてもプレッシャーだったそうですが、今では「昔と変わらないね」と言ってくださるそうです。

味を一番よく知る整さんは「レシピを忠実に再現してくれているので、文子さんが焼いたパンと同じ味」と。一番近くで食べ続けた叔父に認めてもらえたことが一番安心したそうです。

手作りパン 1個90円 ※月曜日のみ販売なし

 

原田整さん（左）

「BaKuRo」で楽しめるのが、広島にはなかった本場ギリシャ料理。ギリシャ生活で出会った料理を、日本人向けの味付けにして提供しています。野菜は地元農家さんの、安心安全な新鮮野菜を使います。

そして、ぜひ食べていただきたいのが、「ギロピタ」と言うギリシャの国民食。広島でいう、お好み焼きのような感覚のもの。

ピタパンに野菜・フライドポテト・マリネした豚肉を挟み、ヨーグルト・キュウリ・ニンニクをあえたソースをかけていただきます。

その味は・・・ヨーグルトのさわやかな酸味がきいている、ボリューム満点の美味しい一品です。テイクアウトして、ピクニックにもっていく方も多いそうです。

ギロピタ 650円

そしてオススメは限定ランチ。前菜は3品。黒米のサラダは、モチモチとした黒米の食感とさわやかな美味しさが口いっぱいに広がります。

そして、メインディッシュは、ギリシャの煮込み料理「ユベチ」。豚肉を赤ワインとトマトソースで煮込み、湯来町産のお米でリゾット風に仕上げています。

お肉とチーズが口の中で見事にマッチ。もう言葉はいらない美味しさです。

Mezeランチ 1,650円 ユベチ

長年愛され続けたパンと本格ギリシャ料理。

自然に囲まれた居心地のよい空間で、ここでしか味わえない料理を堪能してみてはいかがですか。

 

お店情報

■ ギリシャキッチン＆ベーカリー BaKuRo（バクロ）
広島市佐伯区湯来町伏谷656-1
電話：0829-86-0883
営業時間：11：00 ～ 18：00（ランチL.O. 14：00）※15：00 ～ 18：00はカフェタイム
定休日：火曜日
※ディナーは3日前までに要予約

全粒粉パン １個90円  ※月曜日は販売なし

 

広島ホームテレビ『５up！』（2022年6月10日 放送）

 

ひろしまリード編集部