“大竹産にこだわる”手すき和紙 400年の伝統を未来へ|地球派宣言
400年以上の歴史がある「大竹の手すき和紙」。
大竹の手すき和紙
“手すき”ならではの質感からは、力強さとやさしさが感じられ、ひとたび形を変えればさまざまな表情を見せてくれます。
大竹の手すき和紙
その和紙の主な原料となるのが、自家栽培しているコウゾです。
コウゾ
伝統の和紙作りを守りつづけている「おおたけ手すき和紙保存会」の森本会長にお話を伺いました。
おおたけ手すき和紙保存会 会長 森本勝見さん
「大竹の和紙は、和紙の原料の3種類のうちのコウゾという1種類を使っています。全国に手すき作業場はたくさんありますが、何をもって大竹というのかを考えたとき、“地元産にこだわる”ということで和紙を作っています」と森本会長は話します。
この日は、コウゾにとって大切な“芽かき”が行われました。
幹を太く大きく育てるため、新しく生えてきた芽を取り除きます。
この作業は、2014年から始まった「芽かきプロジェクト」に参加した人たちも協力して行われました。
コウゾの新芽
芽かきに参加した人は「紙作りに興味を持ったので、一から作ることを体験したいと思いました」と話してくれました。
芽かき参加者
芽かき参加者
森本会長は「芽かき作業は年間で、6回くらい繰り返します。放っておくと、雑木のように変な木ができてしまい、皮を使う上で決していいことではないので、真っ直ぐなコウゾができるように、芽かき・草刈りも行っています」とコウゾの栽培の難しさを話します。
芽かき作業の様子
大竹の和紙の品質は、コウゾを強く大きく育てることが生命線です。
なぜ、コウゾを使うのでしょうか?
コウゾ
森本会長は「育てやすいということもあり、一株で少なくとも10年・数年単位で使うことができる。杉などだと、成長するまでに数年あるいは数十年単位でかかるので、1年ごとに環境を整えているという意味ではいいと思います」とコウゾを育てるうえでの環境負荷について、自身の考えを話してくれました。
コウゾ
コウゾが持っている特徴を生かして育て、そして、利用する。
「手すき和紙」は、自然のサイクルの中で作られているともいえます。
和紙
大竹の手すき和紙は、地元でとれたコウゾだけを使用。
乾燥させたのちに、丁寧に加工し、元となる原液を作ります。
漂白中のコウゾ
その原液に、「ネリ」と言われるトロロアオイの根などから作った粘液を加えて紙すきを行い、乾かせば完成です。
紙すきの様子
芽かき作業を終えた参加者も、和紙作りを体験しました。
和紙作り体験の様子
和紙作りを体験した人は「今まで自分が何の気なしに書いていた紙が出来上がっていると思うと、たぶんこれから紙と向き合うとき気持ちが全然違う。出来上がるまでの背景がよみがえってくる気がして、この体験ができたことがうれしい。宝です。」と和紙に対する考えに変化があったことをうれしそうに話してくれました。
和紙作りを体験した参加者
参加者の声を聞いた森本会長は「ああいったお話を聞くと非常にやっていてよかったと思います」と感想を話してくれました。
森本会長
大竹の和紙を伝えるため、新たな試みも始まっています。
その試みについて森本会長に伺うと「市内の玖波中学校で去年から、生徒に卒業証書を自分で作ってもらうという事業を始めています。学校の先生の協力もあり、今年度も続けることになったので、ぜひ継続できればと思っています」と話してくれました。
玖波中学校の生徒による卒業証書作り(写真提供:おおたけ手すき和紙保存会)
古くから続く伝統の製法で作られている「大竹の手すき和紙」。
その400年の歴史を受け継ぐ動きが、新しい世代へも広がっています。
紙すき直後の和紙
広島ホームテレビ『ピタニュー』
地球派宣言コーナー(2026年7月1日放送)