【紅葉を楽しむ山登り植物観察会】カエデが色づく理由は?|地球派宣言
紅葉の見ごろを迎えた北広島町で、西中国山地自然史研究会が主催する秋の植物観察会が行われました。
植物観察会
今回は、高杉山を登山しながらの観察会。
標高およそ800mの登山口を出発し、山頂を目指すルートです。
植物を学ぶだけでなく、標高が上がるにつれて変わる景色も楽しみます。
変わる景色を楽しむ
中でも多くの種類が見られるのが「カエデ」です。
登山道で見つけたのは、黄色い「イタヤカエデ」や葉の枝分かれした先端が尾のように長く伸びる「コミネカエデ」。
イタヤカエデ
コミネカエデ
小さな丸い葉の「ウリハダカエデ」は、樹皮の縦じま模様がウリに似ていることからその名が付いたと言われています。
ウリハダカエデ
秋になると赤や黄色に色付くカエデ。
普段は、光合成をするために緑色の色素が多いので、緑が反射して緑色に見えています。
しかし、秋になり気温が下がってくると、葉にあった緑色の色素「クロロフィル」が分解され、葉に元々あった黄色が際立ってきます。
それと同時に日当たりの良いところから赤くなっていくそう。
紅葉の仕組みを解説
紅葉するのは、緑色の色素が少なくなることで、赤や黄色の色素が目立つようになるからなんです。
紅葉
標高が1000mを超えてくると、そこに広がるのはブナ林。
太い木と細い木がそれぞれ密集しています。
ブナは枯れると倒れて、そこに大きな明るい環境ができます。
そうすると下で待っていたブナが大きくなって、その明るいところをまた覆い、やがて大きなブナ林になるのだそう。
ブナは、自らの力で新たな森を作り続けているんです。
ブナ林
登山開始から4時間。高杉山の山頂に到着しました。
高杉山山頂
山頂からは恐羅漢山のほか、晴れていれば日本海も望めます。
恐羅漢山を望む
西中国山地自然史研究会 専門員の佐久間さんは、
「植物の名前が分かれば楽しくなる。自然の仕組みが分かれば見方も変わる。目で楽しんだり、落ち葉の音など耳でもいろいろな楽しみ方ができる」と語りました。
植物観察会
広島ホームテレビ『ピタニュー』
地球派宣言コーナー(2023年11月8日放送)