【三次市】渓谷を彩る植物の不思議|地球派宣言
8月20日、三次市吉舎町にある品の滝周辺で夏の植物観察会が行われました。

品の滝周辺は、県の自然環境保全地域に指定され、多くの植物が自生。
周辺の渓谷は日陰や湿地が多く、夏でも涼しさを感じられます。

案内するのは上下高校で生物を担当する濱田先生です。

散策を始め、日陰で見つけたのは「ヤブヘビイチゴ」。
実は、実のように見えている赤い部分は花托(かたく)と呼ばれる土台のようなもので、小さな粒々が実なのだそうです。
一般的なイチゴも同じで、私たちは花托を食べています。

渓谷沿いに自生する植物の中には、里山の暮らしに関わる植物もありました。
川沿いに生える「エゴノキ」は、今の時期、実がたくさんなっています。

この実は、つぶして石鹸代わりに洗濯で使用されたほか、漁などにも使われていました。
「魚毒」という、毒性の弱い毒で魚が気を失うので、これを使用して魚を捕っていたそうです。

渓谷の周辺には多くのシダが自生していて、その中には珍しい特徴を持つものもあります。
「キジノオシダ」もその一つで、「胞子葉」という胞子をつけるだけの葉と光合成をするための葉が分かれています。


県北では「谷急ぎ」と呼ばれる「マンサク」は、寒い時期に急ぐように花を咲かせる植物。

2月終わりから3月初めにかけて花が咲き始めるため、よく見ると、今の時期にもう来年の芽が出てきています。

この品の滝周辺は暖かいところの植物と寒いところの植物の両方が見られる場所。
濱田先生は、「季節を変えると、いろいろな植物が見られる面白い場所」と言います。


せら夢公園の里山セミナーとして行われた品の滝周辺の植物観察会は、9月24日(日)に、秋の植物観察会が行われます。
季節ごとに変わる自然を体感してみてはいかがですか?

広島ホームテレビ『ピタニュー』
地球派宣言コーナー(2023年8月23日放送)
