広島生まれの天然素材で土づくり|地球派宣言
5月に行われたG7広島サミットの取材拠点「国際メディアセンター」。
そこで報道陣に広島県産の食材を使った料理が振舞われましたが、その時に出た生ゴミを広島県生まれのコンポスト資材によって栄養価の高い土に変え、県内の農家や牧場に寄付するという取り組みが行われました。
国際メディアセンター
G7で使われた“広島生まれの天然素材を使ったコンポスト”が西区の「無印良品 広島アルパーク」にありました。
この『せとうちコンポスト』の素材は、安芸太田町の「葦(よし)」と三次市の「もみ殻くん炭」、そして、飲み水を作る過程で出る天然の泥から作った「瀬織(せおり)」という土壌改質剤です。
「瀬織」は、川の水から飲み水を作る浄水場でろ過をする時にたまった泥で、これまでは「汚泥」という名前で捨てられていました。
せとうちコンポスト
瀬織
生原商店の生原誠之さんが浄水場の現場に通うと、植物が生えていたり、虫が泥をなめている光景が。
それを見て、泥はそもそも栄養価が高いもので、植物や生物に必要なミネラルや有機物が豊富に溶け込んでいることに気づきました。
浄水場の天然の泥
「生原商店」生原誠之さん
三次市を流れる馬洗川(ばせんがわ)が運んできた栄養豊かな泥を浄水場で自然乾燥させ、土壌改質剤「瀬織」が誕生しました。
馬洗川
「瀬織」は、土づくりにこだわる三次市のワイン用のぶどう農家でも使われています。
ワイン用のぶどうを作る横町さんは、「ワイン用の良いブドウを作るためには、根張りをよくして木を強くしていく。そのためには下に根を伸ばす必要がある。
「瀬織」をまくことで微生物の量を増やして、循環できる土づくりをしたい。」と語りました。
ぶどう園「ヴィノーブル ヴィンヤード」
ぶどう園にまかれた「瀬織」
生原商店の生原誠之さんは、「廃棄されていたものを地元の人と一緒に活用し、その土地に戻してあげると土も喜んでいるような感じがする。今後は、地域に貢献できる形で広がって欲しい」と語りました。
「瀬織」と「せとうちコンポスト」
広島ホームテレビ『ピタニュー』
地球派宣言コーナー(2023年7月12日放送)