アナ直伝 「やさしい言葉で伝えよう」#12

広島ホームテレビ 伊藤みのりです。

最近、語彙力ブームと言われていますね。
たしかに、コミュニケーションがうまくなるためには語彙力も必要。
しかし、それだけでは「伝える力」につながらないのです。

八幡美咲アナウンサー 八幡美咲アナウンサー (C)HOME

 

「わかったつもり」にご注意


私がまだ新人アナウンサーだったころの事。報道のニュース原稿の書き方を日々学んでいました。
取材先で聞いた難しい言葉をそのまま原稿に書いていると、先輩から「これはどういう意味?説明できる?」と言われ、説明しようとした私は言葉に詰まりました。
意味はなんとなく分かるものの、いざ言葉にしようとするとうまくできませんでした。

つまり、「わかったつもり」になっていただけで、しっかり理解できていなかったのです。

 

やさしい言葉で表現する


先輩から「ニュースは、子どもからお年寄りまで多くの方に伝えるため、できる限りやさしい言葉を使いなさい」と指導を受けました。

原稿を書くには取材力、構成力、文章力、語彙力も必要ですが、難しい言葉を「わかった気に」ならず、詳細に理解し、それを誰にでもわかるように「やさしい言葉で表現する力」が大切だったのです。

ニュースだけでなく、アナウンサーはどんな場面でも意識してわかりやすい言葉で話す努力をします。どんなことばで表現すればわかりやすいか、いつも頭の体操をしているようです。

 

「相手を思いやる心」はコミュニケーションの重要な柱。
語彙力ブームの今ですが、学んだ言葉をどう「やさしく」伝えるかが大切ですね。

 

 

伊藤みのり
ライター:伊藤みのり(HOMEアナウンサー)
アナウンサー歴35年を経て放送運行、CM考査業務を経験。
現在はアナウンスグループで、番組ナレーション、アナの育成指導を主に担当。
ブログ「みのりのマリンライフ」はこちら

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