【庄原市】源流に生き続ける幻の渓流魚|地球派宣言

庄原市西城町で幻の渓流魚と呼ばれる魚の調査が行われました。

探していたのは、中国山地の源流域に生息する「ゴギ」。

「ゴギ」はイワナの仲間で、世界的に見ても南限に生息する魚です。

絶滅に近い魚とも言われており、広島県の天然記念物に指定されています。

 

ゴギ(提供:近畿大学 大学院 水産学専攻)

 

今年9月から11月にかけて、庄原市西城町で近畿大学のチームが生態調査を行いました。

 

近畿大学調査 ゴギ捕獲(提供:近畿大学 大学院 水産学専攻)

 

このプロジェクトは、庄原市東城町出身で、近畿大学大学院で水産学を専攻する佐々木悠人さんが、ゴギに興味を持ったことからが始まりました。

 

近畿大学 佐々木悠人さん(提供:近畿大学 大学院 水産学専攻)

 

西城町にゴギの保護区があることを知り、2020年から調査を始めました。

ゴギの生息数や分布を調べるために、川に電気を流し気を失っているところを捕獲。

 

捕獲したゴギ(提供:近畿大学 大学院 水産学専攻)

 

川の魚を全部すくって調べ、さらに個体識別をすることで、どのように成長するかのデータも収集している最中です。

 

ゴギ調査風景(提供:近畿大学 大学院 水産学専攻)

 

ゴギを調査する中で、ひろしま県民の森の保護区では、人の手によって放流されたアマゴに負けて数が少なくなりつつあることが明らかになってきました。

今後は、山奥という限られた場所で数万年命をつないできたゴギの生き方について調査を進めていくそうです。

 

ゴギ調査風景(提供:近畿大学 大学院 水産学専攻) ※特別な許可を得て捕獲・調査を行っています ※電気漁具を使った捕獲は禁止されています

 

さらに、貴重なゴギを残すために約30年前から養殖している田中雅嶽さんを訪ねました。

 

熊野ゴギ養魚場

 

川にいる天然のゴギを許可を得て捕獲し、養殖を開始。

しかし、エサを食べさせることにとても苦労したのだとか。

 

エサやりをする田中さん

 

養殖ではマス用の固形飼料をエサとして与え、約2年かけて大人へと成長するそうです。

現在、約2万匹が飼育されていますが、共食いなどもあり、全てが大きくなるかは分からないとのこと。

しかし、貴重なゴギを残すために、今後も養殖を続けていきます。

 

養殖しているゴギ

 

熊野ゴギ養魚場 田中雅嶽さん

 

 

広島ホームテレビ『ピタニュー
地球派宣言コーナー(2023年11月15日放送)

SDGs

 

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