【幻の鍾乳洞】洞窟学会も注目!60年以上存在を忘れられた洞窟|地球派宣言

広島県庄原市東城町から神石高原町にまたがる帝釈峡。

今年は国の史跡に指定されて100年、国定公園に指定され60年の年です。

その帝釈エリアにある鍾乳洞が、いま注目を集めているんです。

 

下帝釈

 

下帝釈(しもたいしゃく)の渓谷沿いには、発見後60年以上存在を忘れられていた鍾乳洞があります。

人呼んで『幻の鍾乳洞』。

今回許可を得て、その内部を撮影することができました。

 

『幻の鍾乳洞』

 

今月、神石高原町で日本洞窟学会の大会が開かれ、地元の人たちも参加しました。

『幻の鍾乳洞』は昭和4年の県の調査では存在が確認されていましたが、その後60年も経つと地元の人でさえ場所も、本当にあるのかも分からなくなってしまい『幻の鍾乳洞』と呼ばれるようになったと言われています。

 

日本洞窟学会 第49回大会公開講演会

 

公開講演会の翌日、実際に『幻の鍾乳洞』に入る「巡検(じゅんけん)」が行われました。

 

『幻の鍾乳洞』巡検

 

『幻の鍾乳洞』の入り口は、渓流から十数メートル登ったところにあります。

1993年に再発見された後、ながの村自治振興会が管理し、普段は入り口を封鎖して鍾乳洞を守ってきました。

 

『幻の鍾乳洞』入り口

 

『幻の鍾乳洞』の全長は740メートル。

普通なら、長い時間が経つと人が触るなどして壊されてしまうものが、できたときのそのままの状態で残っている貴重な場所です。

 

『幻の鍾乳洞』の内部

 

『幻の鍾乳洞』の内部でまず出会った鍾乳石は『つらら石』。

 

つらら石

 

さらに岩肌一面に、大きなアラゴナイトの結晶が広がっていました。

これほどの規模のものは、世界を見渡しても少ないといいます。

 

アラゴナイトの結晶

 

中でも貴重なのが「ヘリクタイト」と呼ばれる曲がった鍾乳石。

世界的にも珍しいものですが、崩れやすいため状態を維持していくことが今後の大きな課題です。

 

ヘリクタイト

 

日本洞窟学会 第49回大会世話人の横田角光さんは、

「地域の観光資源になるのが1つの方法だけれども、それによって環境が汚されることも懸念されるので地権者の人と一緒に入るなど、きちんとした手続きを踏んでいくことが必要だ」と語りました。

 

横田角光さん

 

『幻の鍾乳洞』巡検風景

 

 

 

広島ホームテレビ『ピタニュー
地球派宣言コーナー(2023年9月20日放送)

SDGs

 

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