【カープ】引退の戸田隆矢さんがレモン農家に転身!現役生活11年と第2の人生を語る

12月3日放送の『ひろしま深掘りライブ フロントドア』では、元カープの戸田隆矢さんにスポットを当てました。戸田さんは11年の現役生活を振り返り、第二の人生について語ってくれました。

 

戸田投手プロ野球生活11年の軌跡

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2011年、戸田さんは鹿児島・樟南高校からドラフト3位でカープに入団。140キロ台の伸びのある速球と鋭く変化するチェンジアップが持ち味の戸田さんは、プロ3年目の2014年に30試合に登板して4勝2敗と活躍。

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プロ5年目の2016年にはシーズン途中から先発ローテーションに定着。今やメジャーリーグで活躍する大谷翔平選手と対戦したときは、圧巻の投球を見せてくれました。

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改めて野球人生を振り返り、一番印象に残る投球をうかがうと、2016年7月10日の阪神戦の完封を挙げてくれました。この試合で戸田さんは9回140球を投げ切り、プロ初の完投・完封で勝利しました。

順調と思われた戸田さんのプロ生活でしたが、その試合から間もなくアクシデントが…。7月下旬、左手を負傷して戦線離脱すると、この年は1軍登板なし。その後も長年酷使してきた左腕の靭帯が悲鳴を上げ、2017年は3試合、2018年は7試合。2019年はついに1軍で登板することはありませんでした。

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そして2020年。1度目の戦力外通告を受け、育成選手となって再起を図ってきましたが、今年2度目の戦力外通告を受け、引退を決断しました。

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2度目の戦力外通告を受けたときの心境をうかがうと、「これでやっと次の道に進むことができるし、やりきったという気持ちがこみあげてきた」と正直な気持ちを答えてくれました。この1年思うようなパフォーマンスができず、肘の調子もよくなかったという戸田さん。痛みからの開放感が大きかったといいます。

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プロ生活のおよそ半分は怪我との闘いだった戸田さん。そんな戸田さんが現役時代毎朝していたことは、「息をする前に肘を動かす」こと。起きて一番に確認することが、「今日肘はどんな状態だろう?」ということだったのです。

手術を受けて過酷なリハビリに耐えながら、大好きな野球を続けたいともがき続けた育成の2年間。カープ球団には「野球人生を長くしてくれたことに感謝している」といいます。

2年前、本当にクビだと感じた戸田さんは、そのときふと「自分は野球しかしてない」と気付いたのだそう。戸田さんにとってそれからの2年間とは、野球に100%で打ち込み、それ以外の時間は次の人生について考え、感覚的には120%で毎日過ごした、価値ある時間でした。

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戸田さん現役最後の投球は10月2日のウエスタンリーグ最終戦。最後の一球をショートゴロに打ち取って現役生活を終えました。通算成績は、1軍登板95試合で11勝7敗1S、防御率3.94でした。

 

元カープ・戸田隆矢が選んだ第二の人生とは?

戸田さんは今、やりたいことやワクワクすることに挑戦していきたいといいます。そしてそれはもう始まっているようで…。戸田さんが「第二の人生」に選んだ仕事をする場所へ案内してくれました。

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その道中、車内で今の生活パターンをうかがうと、最近朝から仕事をするなど、朝活をするようになったという戸田さん。今年7月に結婚、8月に第一子が誕生したばかりでもあり、プライベートも充実。引退するにあたってはパートナーが支えてくれたといいます。引退前、「やりたいことをすればいい」「悔いがないならいいんじゃない」と後押ししてくれたパートナーのおかげでスムーズにプロ生活を終える選択ができました。戸田さんは家族に支えられながら、家族を守るために第二の人生を歩み始めたのでした。

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到着したのは東広島市安芸津町。瀬戸内海を一望できるこの場所に一目ぼれしたという戸田さん。

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まだ雑草が生えるこの場所で戸田さんが始めようとしているのは「レモン農園」。農業の経験はないものの、何かを育てることは好きだった戸田さん。2023年1月から自ら開墾してレモン栽培を始めます。

もちろん農業経験はゼロなので、近くで農園を営む「甲斐農園」の方にレモン栽培を教えていただきながら、一からレモンについて学び、栽培していくといいます。

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甲斐農園の甲斐直樹さんにもお話をうかがいました。レモンは比較的育てやすい果樹ではあるものの、レモンの木を生育させるためには2年目までは実を全部落として、しっかり生育した3年目に初めて収穫ができます。最短で3年、木の生育状況によっては4~5年はかかるのだとか。

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最低でも3年はかかる。それでも「できる!」と自信満々の戸田さん。甲斐さんも戸田さんの新たな挑戦に期待しているといいます。はじめ話を聞いたときはびっくりしたものの、自分たちにはない視点で新たなことをしてくれるのではないかという期待と希望に胸がふくらんだといいます。

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この取材の日、初めてレモンの収穫を体験した戸田さん。ゆくゆくは自社ブランドを立ち上げて商品化し、収益の半分を動物愛護の活動に充てる予定と語り、やる気十分。妻と合同で会社を設立し、レモン農園を軸に、動物愛護、ライブ配信、野球指導など、さまざまな活動をしていくそうです。

11年間のプロ野球生活を見守ってくれたファンには、「感謝の気持ちしかない。広島の街に来ることができて本当に幸せだと思っているので、その恩を何か別の形で返したい。これからも長い目で見守ってほしい」とメッセージ。「野球では億プレーヤーにはなれなかったので、第二の人生ではそこを目指していく」と大きな夢を語ってくれました。

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第二の人生で大事にしていく言葉は「楽しくワクワク!!」これから戸田さんがどんな挑戦をしていくのか、ワクワクしながら待っていましょう!

 

広島ホームテレビ
ひろしま深掘りライブ フロントドア(土曜13:00)12月3日放送

ライター  東 滋実

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