後半戦打撃好調のカープ西川龍馬選手 野球観すら変え探し当てた復調の糸口

「自分の野球観を変えたほど発見の多い年」。今シーズンここまでをしみじみ振り返るのは西川龍馬選手。

広島ホームテレビ『ひろしま深掘りライブ フロントドア』では、後半戦打撃好調の西川選手をフカボリ。

苦しんだ前半戦や、これからの思いなどを赤裸々に語ってもらった。

※データはすべて9月11日O.A.時現在 ※以下、敬称略

西川龍馬選手 西川龍馬選手 ©広島ホームテレビ

 

9月7日の中日戦。坂倉将吾の逆転サヨナラホームランで4点差をひっくり返し、劇的勝利を収めたカープ。

実はその8分前・・・。2アウト1・3塁から起死回生のタイムリーヒットを放ち、反撃の狼煙を挙げたのは西川だった。

「その前の4打席打ててなかったので、なんとかという気持ちで入ったが正直そんな簡単には打てないと思っていた。一球顔面付近にボールが来て、目が覚めた」と振り返る。

さらに9日にはチームに勢いを呼び込む先制の9号2ランHR。

天才とも称されるバットコントロールで後半戦に入っての打撃は.351。

逆襲を狙うチームの中で存在感を示している。

 

しかし今シーズンの前半戦を終えての成績は打率.254。

入団して5年間、常に3割前後の成績を残してきたヒットマンは大きなスランプに苦しんでいた。

「(どれだけ悪くても)めちゃくちゃ打たれへん事はなかったので、何かを変えればヒットが出たり、悪いなりに飛んだ所が良かったりしていた」と言うが、今年に関してはそうはいかなかった。焦ることもできない程のどうしようもない状態は、野球人生の中で初めてだと打ち明ける。

「二つの変化」について明かした西川選手 「二つの変化」について明かした西川選手

これまで些細な感覚の変化すら嫌がっていた西川だが、苦しい状況で試行錯誤。

新たに取り組んだ『二つの変化』が功を奏した。

一つは『長年愛用したバットを変えること』。

毎年考えていたものの決断できなかったという。

「メジャーリーガーのフアン・ソトを“良いバッターだな”と話していたら、坂倉が“一緒の形のモデルがありますよ”って貸してくれて。その日のエキシビジョンマッチで使ってみたら良かったので、それから使っている」。

 

もう一つの変化は『打席の中での意識』。

開幕直後は「体重移動をするので右足も重要だし、軸足の左も重要。下半身をしっかり使って打つ意識だけ」と語っていたが、今は「自分のタイミングでさえ振ればいいという事だけを意識している」という。「前半戦は“ここがアカンかな“といろんな事を考えて、いろいろ試している間に何をしていいのか分からなくなった」と、意識をシンプルに方向変換した。

西川選手のバットがチーム浮上の鍵を握る 西川選手のバットがチーム浮上の鍵を握る

これまでのこだわりや感覚を変えて挑む後半戦。

Aクラス入りを目指すチームの中でも打線の中軸を担う西川の活躍は欠かせない。

「ミスショットはしないように、甘い球を一発で仕留めるようにしていけば打率も上がるやろうし。いい場面で打てるように残りのシーズンもやっていきたい」と締めくくった。

 

 

広島ホームテレビ『ひろしま深掘りライブ フロントドア』(土曜13:00) 9月11日放送

ライター 湯谷葉子

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