アナ直伝 人前で話すコツ~参加者を惹きつける3つのポイント~ #13

広島ホームテレビ 伊藤みのりです。

今回は、「人前で話すコツ」についてのお話です。
人前で話すとき、「うまく話せるかな」「ちゃんと伝わったかな」と不安に思われることが多いと思います。
そこで、「参加者を惹きつける3つのポイント」をご紹介しましょう。
これはオンラインでも使えますのでご参考になれば幸いです。

八幡美咲 八幡美咲アナウンサー (C)HOME

 

ポイント① アイスブレイク!まずは場の空気作り


私も人前で話をするとき、緊張してドキドキします。
始める前にはいつも呼吸を整えます。「思い切り息を吐いてから吸う」を繰り返します。

そして、最初に会場全体を見まわし、みなさんの様子を確認。
実は、話し手だけではなく聞く側の人も、「話をするのはどんな人だろう」「どんな話をするんだろう」と緊張しています。

そこで重要なのが「アイスブレイク」(氷を解かすという意味。初対面の人などが集まった場面で緊張をときほぐすこと)です。

いきなり本題に入るのではなく、失敗談などを入れた自己紹介をします。
そのとき、自分の話に反応の良い人を見つけるのがポイントです。その後はしばらく反応の良い人に向かって話をしていきます。
すると自分がリラックスして会場も次第に明るい雰囲気になり、参加者の緊張もほぐれてきます。

 

ポイント② 会話で進めましょう


ひとりで話すと、「緊張して早口に」「一方的に話し続けてしまう」状態になりがちですが、会話しながら進めていくと「ひとりで突っ走る」ことがありません。

でも「会話で進めるなんて難しい!」と思いますよね。
そこで、「ポイントとなる部分だけをクイズにする」方法はいかがでしょうか。
簡単なクイズで良いと思います。

「AかBどちらだと思いますか?」
「この後どうなるか、予想してみてください」

予想したり選んだりしながら「正解!」「惜しい!もう一声!!」などと声をかけ盛り上げます。

大切なのは「間違っていても、答えの中に良いところを見つけること」です。
また答えてくれた人にはその都度、感謝の気持ちを伝えます。

 

ポイント③ ちょっとした不協和音で「!」を


「ちょっとした不協和音」とはどういうことでしょうか。

実は、スムーズな流ればかりが良いとは限らないのです。
たとえば小さな疑問が湧いたとき。どんどん進行すると、その人は置き去りになってしまいます。

また、いくら会話で進行していたとしても、話がトントンと進んでいくと、慣れてきて、うっかり肝心なことを聞き逃したりする、なんてことはないでしょうか。

そこで使えるのが「間」と「声」。

まず「間」について。
時々、参加者にアイコンタクトしながら「ここまで質問はありませんか?」と聞いたり、あえて小休止を入れて、理解を深めてもらうための時間を作ります。
流れを止める間を恐れず、間で気持ちを通わせてみましょう。

次に「声」。
たとえば、その日一番大切な事を、あえて「ささやくような小声」で伝えてみてください。聞き逃さないよう、参加者のみなさんが集中してくださいますよ。
まず小声で言い、続けて大きめの声で伝えます。

こうして「調和を目指す」のではなく、あえて引っかかりを作り、頭や心に残すようにしてみてください。

 

最後は心から感謝の言葉を伝え「みんな笑顔で」終わりましょう。
参加された方々はきっとその気持ちを受け取ってくださることでしょう。

 

 

 

伊藤みのり
ライター:伊藤みのり(HOMEアナウンサー)
アナウンサー歴35年を経て放送運行、CM考査業務を経験。
現在はアナウンスグループで、番組ナレーション、アナの育成指導を主に担当。

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