被災休耕田を再生して故郷の酒を 地域再興への想い【地球派宣言】

「地元の米でうまい酒をつくる」
稲の葉が揺れる棚田を見ながら、そう語るのは馬場田 真一さん 37歳。

馬場田真一さん 馬場田真一さん (C)HOME

 

今、広島市安佐北区大林町の一角で、日本酒を作る活動が進んでいます。
これは、馬場田さんが係わる「一般社団法人ふるさと楽舎」による地域を元気にしていくプロジェクトの1つ。
「地域の魅力を再発見したり、発信していくために、色んなことをしなければいけないけど、まずは酒づくりから。」と馬場田さん。
「米から作ってお酒に加工してみんなで飲もうや!っていうのがプロジェクトの最初の1歩です。」

5月に田植え 5月に田植え (C)HOME

 

馬場田さんと大林町の出会いは偶然から。
バイクで通りかかったときに地域の人と出会い、「困っとるんじゃ」という話を聞いたこと。
大林は7年前に起きた「平成26年8月豪雨」で土砂災害の被害があった地域。
高齢化の進む中山間地域で、被災した田んぼは耕作放棄地となっていたのです。

安佐北区大林町 安佐北区大林町 (C)HOME

 

地主の河藤繁子さんは
「田んぼが崩れて農作業は絶対できないと思っていた時に、馬場田さんたちに出会った。お米を作らせてくれないかと言われたときは、すごく嬉しかった」と語ります。

河藤さんと馬場田さん 河藤さんと馬場田さん (C)HOME

 

その後、被災休耕田はふるさと楽舎やボランティアの手により修復され、昔と変わらぬ状態でお米が作れるように。
馬場田さんも家族と共に移住して、地元の米による酒づくりを目指し、米作りに励んでいます。

仲間たちと 仲間たちと (C)HOME

 

農業を全く経験したことのない馬場田さんを支えてくれたのは、仲間や地域の人々。
「地域の方々は面倒見も良くて、本当にお世話になっている。機械を借りたり、叱咤激励などのサポートしてくださる」

地域の方々が支えに 地域の方々が支えに (C)HOME

 

今年で4年目となる米作り。
これまでの3年間は天候や虫の被害による米の収量不足で、お酒は1度も作れていませんでした。
「まさに今年こそは。覚悟の4年目」と意気込みます。

今年こそ地域の米で酒づくりを! 今年こそ地域の米で酒づくりを! (C)HOME

 

地域再興への情熱と、応援してくれる人の想いを胸に米作りに励む馬場田さん。
秋にはきっと実が入り、穂が黄金色に輝くでしょう。

 

広島ホームテレビ『5up!
地球派宣言コーナー(2021年8月25日放送)

 

LINE はてブ Pocket