国内唯一の環境学習プログラム「アースキーパーズ」広島で実施【地球派宣言】
生命のつながりを知り、自然を感じ、地球と調和して生きていく・・・。
日本では唯一、広島で行われている環境学習プログラム「アースキーパーズ」が、広島ホームテレビの環境保全キャンペーン「地球派宣言」の取り組みとして、7月下旬に行われました。
環境学習プログラム「アースキーパーズ」 (C)HOME
参加したのは、安芸高田市立向原小学校の5年生。
このプログラムは、謎の人物から招待を受けることから始まりました。
教室に届いた手紙には、次のように書かれていました。
「私の名前はE.M.。
私は君たちの助けをかりたくて、この手紙を書いています。世界中で多くの人たちが、地球を壊しているのです。
こうしたことに目を光らせ、人々に警告したり人間が地球とのつながりを取り戻すための手助けをする、地球の番人 アースキーパーをもっと必要としています。みなさん、アースキーパーになってみませんか?」
アースキーパーになろうと決めた24人が訪れたのは、広島県山県郡北広島町。
大きな池の奥に広がるフィールドで、子ども達は、3日間の活動を行いました。
まずは、生態系のしくみを知る活動です。
すべての源は太陽 (C)HOME
生きものは食べたり食べられたりすることで、太陽のエネルギーを受け渡し、生命をつないでいることや、実際に植物や動物の痕跡や姿を数えることで、目の前の自然の中で「食物連鎖」が行われていることを学んでいきました。
自然を集め、数えてみると・・・ (C)HOME
他の活動では、謎の人物が埋めたタイムカプセルを探しに森の中へ。
探しあてた子ども達の歓声が次々とあがります。
プログラムでは小道具がたくさん使われ、子どもを惹きつける工夫があふれていました。
タイムカプセルの中に入っているものを「時代の棚」に並べていくと、自然のすべてのものは常に変化して、生命をつないでいることが見えてきました。
更に、未来の地球について考えてみようという投げかけも。
この「アースキーパーズ」はアメリカで誕生した環境学習「アース・エデュケーション」のプログラムの1つ。
10~11歳が対象で、生き物が生命を支えあっている仕組みを知り、環境に優しいライフスタイルに変えることが目的です。
アースキーパーになるためには、4つの鍵を手に入れなければなりません。
それは、「K:知識(Knowledge)」「E:体験(Experience)」「Y:自分自身(Yourself)」「S:わかちあい(Sharing)」。
それぞれのトレーニングをクリアすることで、1つずつ鍵を手にすることができますが、4つ目の鍵を獲得するまでの期間は3ヶ月にも及びます。
プログラムを実施する「NPO法人ひろしま自然学校」の志賀誠治さんは、
「今風の言葉だと、SDGsを子どもたちがどうやって学んでいくのかが重要。2030年以降を担っていく子どもたちがしっかりと学ぶという点では、長期にわたるプログラムがぴったりではないかと思い、始めているところです。」と語ります。
森の中では、葉っぱや木を匂ったり、手触りを味わったり、自然の中にいろいろな色があることを知ったり、生命に対する感性を育む活動も行いました。
どんな匂い? (C)HOME
子ども達は地球の仕組みを知り、自然と触れ合う体験をすることで、環境問題への視点や関心が深まったようでした。
感覚を使い自然に浸る体験 (C)HOME
「食べ残しをしない」「紙の使用量を減らす」「ごみの分別をする」「照明をまめに消す」子ども達は地球を良い方向に変えるための行動を決め、今後、チャレンジしていくことにしました。
私の毎日のチャレンジ (C)HOME
3日間の森での活動で、KとEの2つの鍵を手に入れた子ども達。
3日間で2つの鍵を獲得 (C)HOME
残りの鍵を手にするために、現在、子ども達はチャレンジを実践中です。
そして、保護者に自分が学んだことをわかちあう活動を行うなど、プログラムは秋まで続きます。