アナ直伝 不思議な言葉「フルーツサンドになります」#9
広島ホームテレビ 伊藤みのりです。
「こちら、フルーツサンドになります」
最近、不思議な言葉をよく聞きます。
「はやり言葉」のように若い人たちだけが使うのでなく、大人世代も使っていることがあります。
他にも・・・
会議で「これが資料になります」
テレビの情報番組で「ここが現場になります」
小嶋沙耶香アナウンサー、榮アナウンサー (C)HOME
「になります」の意味
聞いた私は、不思議な気持ちでその場面を想像します。
「えっ!? まだフルーツサンドになってないの?これからなるの?」
「これ、まだ資料になってないの?」
「ここで何か起きるの?」
そして、本当の意味を考えます。
どうしてこういう表現になるのでしょうか。
丁寧に話そうと
「です」とはっきり言うより、柔らかく話そうとして「・・になります」と表現しているのではないでしょうか。
ところが、「になります」は「状態の変化」を表していて、正しい敬語ではありません。
使っている人はきっと「丁寧に話している」と思っていらっしゃるのでは。丁寧に表現するなら「でございます」が適切です。
そこで、シンプルに言い切りましょう。
「・・フルーツサンドです」
「・・資料です」
「ここが現場です」
これはニュースでよく聞きますよね。
「です」と言い切ることで、見ている人の意識が集中し、話にテンポが出ます。
席のなる木!?
そういう私もスタジオゲストに向かって「お席はこちらになります」と言ったことがあります。
ああ恥ずかしい。どこにも「席のなる木」などありませんよね。
いかがでしたか。
学生の皆さんは間違った言葉遣いを直して、就活での印象UPにつなげてください。
今日のコミュニケーションの話は「以上になります」。
いえ、「以上です」笑
ライター:伊藤みのり(HOMEアナウンサー)
アナウンサー歴35年を経て放送運行、CM考査業務を経験。
現在はアナウンスグループで、番組ナレーション、アナの育成指導を主に担当。
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