広島県立美術館で「ポケモン×工芸展 ―美とわざの大発見―」開催中!20名のアーティストとポケモンの「真剣勝負」を楽しもう

1996年にゲームソフト『ポケットモンスター 赤・緑』が発売されて以来、世界中の人々を魅了し続けているポケモン。

一方、何世代にもわたって受け継がれてきた美意識や技を今に伝え、時代や作家の探求心によって「進化」を続けて来た工芸。

そんなポケモンと工芸が出会うと、何が起こるだろう?

この問いに本気で挑んだ20名のアーティストの作品が今、広島県立美術館に集結しています。

 

ポケモン×工芸展 展示室入口の様子

 

2026年9月23日(水・祝)まで開催されている「ポケモン×工芸展―美とわざの大発見―」。

アメリカや日本各地を巡回してきた人気展覧会で、中国・四国エリアでは今回が初めての開催となります。

日本を代表する工芸作家たちがポケモンの姿かたちやゲームのストーリー、世界観などを表現した作品約100点が、「すがた ~迫る!~」「ものがたり ~浸る!~」「くらし ~愛でる!~」の3章構成で紹介されています。

 

すがた~迫る!~

最初のテーマは「すがた ~迫る!~」。

それぞれの作家が日頃から向き合ってきた素材の研究や優れた技術が、ポケモンのフォルムや仕草、表情などに落とし込まれた作品が並びます。

 

展示室に足を踏み入れると最初に目に入るのが、北海道出身の工芸作家・福田亨さんの作品。

木を下絵に沿ってくり抜き、そこに同じ大きさや形にかたどった別の木をはめることで絵や図柄を生み出す「木象嵌(もくぞうがん)」に取り組んでいます。

 

ポケモン×工芸展 雨あがり 福田亨《雨あがり》2022年 個人蔵

 

《雨あがり》のアゲハントも、翅の模様の位置に合わせて、それぞれのパーツを微妙に異なる曲面として彫り出しています。

繊細な薄さのなかに、しなやかな生命感が感じられます。

 

ポケモン×工芸展 木象嵌に使われる木片のサンプル 木象嵌に使われる木片のサンプル

 

作品の隣では、福田さんが作品制作に使用する木片のサンプルも展示。

工芸の技術や工程についても知識を深めることができる、材料や道具、制作途中のパーツなども見どころです。

 

ポケモン×工芸展 展示室の様子

 

次の展示室には、陶芸家の今井完眞さんの作品がずらり。

普段はウミガメや魚など、生き物の姿をリアルに表現する陶芸作品を手掛けています。

 

コイキングやゼニガメたちを色々な角度から鑑賞しながら奥に進むと、フシギバナと遭遇。

 

ポケモン×工芸展 フシギバナ 今井完眞《フシギバナ》2022年 個人蔵

 

皮膚の凹凸や、細密に作り込まれた口元。

じっくりと眺めていると、その重厚な存在感に圧倒されてしまいそうです。

 

金工作家の吉田泰一郎さんは、鏨(たがね)と呼ばれる道具で金属を彫刻する「彫金」の技法でイーブイとその進化系3匹を表現。

材料には化学変化で色が変わる銅が使われており、さまざまに進化するイーブイとリンクします。

 

ポケモン×工芸展 サンダース 吉田泰一郎《サンダース》2022年 個人蔵

 

「ノーマルタイプ」のイーブイには純銅、「でんきタイプ」のサンダースには金銀メッキを採用。

体を構成する無数のパーツは、それぞれのポケモンのタイプに合わせて雷や流水紋などがモチーフになっています。

 

ポケモン×工芸展 銅製パーツ 銅製パーツ

 

大きな瞳は、金属の表面にガラス質の釉薬をかけて高温で焼く「七宝焼」で制作。

ポケモンの背景にある物語までも伝わってくるような、つややかな美しさにも注目です。

 

満田晴穂さんが制作するのは、江戸時代から明治時代にかけて人気が出た「自在置物」。

金属を使って写実的に生きものを作る技法で、現在この技術を受け継いでいるのは満田さんと師匠の冨木宗行さんのみだそうです。

 

ポケモン×工芸展 自在ギャラドス 満田晴穂《自在ギャラドス》2022年 個人蔵

 

実際に触れることはできませんが、《自在ギャラドス》も動かすことができます。

通常は生きものをスケッチしたり、採寸したりして制作を始めますが、ポケモンは私たちの現実とは異なる世界線の生きもの。

満田さんは「しかし思いを巡らせることはできる」と、印象と工芸の論理の間で「ちょうどいいところを攻めて」いったそうです。

自在置物の伝統的なモチーフである龍や鯱(しゃち)も、こうして作られたのかもしれないと想像が広がります。

 

ものがたり ~浸る!~

次の章のテーマは「ものがたり ~浸る!~」。

捕獲や育成、進化などの要素がもたらすワクワク感や、冒険の舞台への憧れ。

旅の仲間たちと育んだ友情や、固唾をのんで見守った技のインパクト。

工芸の素材と技を携えた作家たちが、想像のフィールドを駆け巡って制作した着物やガラスの器、インスタレーションなどが展示されています。

 

なかでも目を引くのは、テキスタイルデザイナー・須藤玲子さんの《ピカチュウの森》。

水に溶ける布にピカチュウと植物を刺繍して作られたレースリボン約900本で構成された作品です。

 

ポケモン×工芸展 ピカチュウの森 須藤玲子《ピカチュウの森》2023年 個人蔵

 

中央の空間は通り抜けることができ、レースリボンを近くで見るとピカチュウがさまざまな表情をしていることが分かります。

実は1匹だけ色違いのピカチュウが!

レースの美しさに包まれながら、探してみてくださいね。

 

ポケモン×工芸展 ピカチュウの森 須藤玲子《ピカチュウの森》2023年 個人蔵

 

高さ50cmのガラスの器に、ゲーム『ポケットモンスター ソード・シールド』の舞台・ガラル地方での冒険を描いたのはガラス作家の池本一三さん。

《冒険のはじまり》《湖のほとりで》《殿堂入り》からなる3本の立体絵巻に、さまざまなランドマークやポケモンが登場しています。

 

ポケモン×工芸展 池本一三 池本一三《冒険のはじまり》《湖のほとりで》《殿堂入り》2022年 個人蔵

 

さらに、広島会場から池本さんの新作3点もお目見え。

こちらには、ゲーム『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』での冒険が描かれています。

ガラスならではの光による表現に誘われて、物語の世界を旅するように鑑賞することができます。

 

くらし ~愛でる!~

最後の章「くらし ~愛でる!~」では、生活のさまざなシーンをより良く、美しく整えてくれる工芸の機能や価値観にポケモンが挑戦。

器や着物、装身具を舞台に活躍するポケモンたちを目で追いかけていると、日々を慈しむ感性が豊かになっていきそうです。

 

器からポケモンが飛び出したような、エネルギッシュでユーモアに満ちた作品を手掛けたのは、陶芸家の桝本佳子さん。

「器と装飾の、主と従という関係を壊す事」をテーマに制作を続けており、迫力のある《リザードン/信楽壷》が一際目を引きます。

 

ポケモン×工芸展 リザードン/信楽壺 桝本佳子《リザードン/信楽壷》2022年 個人蔵

 

桝本さんはこの作品で初めて信楽焼に挑戦。

窯詰めや薪の投げ入れ方ひとつで表情や形状が変わるため、超重量級のリザードンは予想の3倍くらい変形したそうです。

 

広島県出身の現代陶芸家・桑田卓郎さんは、美濃焼の産地である岐阜県多治見市に工房を構えています。

この展覧会には、岐阜が持つ量産技術を活用して製作した《タイル(ピカチュウ)》や《カップ(ピカチュウ)》を出品。

ポッテリとした釉薬を施し、たくさんのピカチュウを転写したカップがずらりと並ぶ様子は圧巻です。

 

ポケモン×工芸展 カップ(ピカチュウ) 桑田卓郎《カップ(ピカチュウ)》2023年 個人蔵

 

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TM, ®, and character names are trademarks of Nintendo.
©吉田泰一郎、©今井完眞、©福田亨、©池本一三、©須藤玲子、©桑田卓郎、©桝本佳子

 

開催記念グッズやスタンプラリーも楽しんで

展示室を出たところでは、「ポケモン×工芸展―美とわざの大発見―」の開催を記念したグッズや、ポケモンセンターオリジナルグッズなどが販売されています。

日本の伝統柄「工字繋ぎ」の着物を着せてもらったピカチュウのぬいぐるみや、《ピカチュウの森》を制作した須藤玲子さんのレース、作品をモチーフにしたポストカードなどから、お気に入りを探してみて。

 

ポケモン×工芸展 ぬいぐるみ ポケモン×工芸展のピカチュウ ぬいぐるみ ポケモン×工芸展のピカチュウ(2,640円)

 

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ポケットモンスター・ポケモン・Pokémonは任天堂・クリーチャーズ・ゲームフリークの商標です。

 

また、「ポケモン×工芸展―美とわざの大発見―」の広島会場開催を記念したスタンプラリーも開催中!

※先着順、数量限定、1名1枚まで

広島県立美術館の1~3階とポケモンセンターヒロシマを巡って4つのスタンプを集めると、オリジナルステッカーがプレゼントされます。

 

ポケモン×工芸展 スタンプラリー

 

子どもも大人も、ポケモンが好きな方も、工芸が好きな方も楽しめる「ポケモン×工芸展―美とわざの大発見―」。

ポケモンと工芸のかけ算パワーで増幅した「美とわざの大発見」をお楽しみください!

 

開催概要

<開催期間>
2026年7月10日(金)~9月23日(水・祝)
※会期中無休
※前期:7月10日(金)〜8月5日(水) 後期:8月6日(木)~9月23日(水・祝) 約10点程度の展示替えが行われます

<開館時間>
9:00~17:00(金曜日は20:00まで開館)
※入場は閉館の30分前まで
※変更になる場合があります。最新情報はHPをご確認いただくか広島県立美術館にお問い合わせください

<会場>
広島県立美術館 3階企画展示室

<入場料>
一般 1,800円
高・大学生 1,100円
小・中学生 800円

<チケット販売>
■(JP)広島展公式オンラインチケット https://www.e-tix.jp/pokemon-kogei-hiroshima/
■(EN) Online Ticket https://www.e-tix.jp/pokemon-kogei-hiroshima/en/
■ローソンチケット(Lコード:63196) https://l-tike.com/event/mevent/?mid=783124
■セブンチケット(セブンコード:特定日以外 115-232、特定日 115-263) https://7ticket.jp/sc/2krf

※広島県立美術館受付でのチケット販売は行われません。
※特定日(土日祝、8/10、8/12~14、9/14~18)は、無料の方も未就学児を除き、広島展公式オンラインチケット等で日時指定予約が必要です。
※学生券でご入場の際は、学生証のご提示が必要です。
※身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳及び戦傷病者手帳の所持者とその介助者(1名まで)の料金は半額です。広島展公式オンラインチケットまたはコンビニチケットをご購入の上、ご入場の際、手帳をご提示ください。
※本展チケットもしくはQRコードのご提示(半券可)により、100円で縮景園に入園できます。
※団体料金の設定や、各種割引はありません。

<お問合せ>
広島県立美術館 TEL:082-221-6246

<HP>
https://www.hpam.jp/museum/exhibitions/pokemonandjapanesecraft/

 

ライター/時盛 郁子

※この記事の情報は記事公開時点のものです。情報は変更になる場合があります。

 

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