【カープ】 チームの連敗を止めた救世主!俊足巧打の宇草孔基選手が一軍定着を決意

「最終的にはずっと一軍にいられて、戦力として少しでも見ていただいたかなと思えるように、隙を見せずにがんばっていこうと思っている」。

そう決意を新たにするのは宇草孔基(うぐさ  こうき)選手。

 

広島ホームテレビ『ひろしま深掘りライブ フロントドア』では、プロ2年目の宇草選手をフカボリ。

交流戦でチームの連敗を止めた決勝ホームランや、ケガからの復活にかける今シーズンの思いを聞いた。

※データはすべて6月26日O.A.時現在 ※以下、敬称略

宇草孔基選手 宇草孔基選手 ©広島ホームテレビ

 

泥沼の8連敗で迎えた6月15日の西武戦。3対3で迎えた8回裏。2アウトで宇草の打順が巡ってきた。

「試合前からいい準備ができていた。前の打席もそんなに悪くなかったがヒットが出なくて、ハードラックみたいな感じだったので集中力を切らさずに打席に立とうと思った」と振り返る。

 

初球はカーブを見逃しストライク。2球目はまたもカーブで今度はボール。

3球目のスプリットを空振りし、2ストライクと追い込まれた。

「追い込まれてしまったので、本当にサードベンチに打つくらいの気持ちで何とか一球でも多く投げさせて、四球でも内野安打でも勝ち取れるように、とにかく粘っていこうと思って打席に立っていた」。

 

そして4球目。153キロのストレートをとらえ、レフトポール際に飛ぶ込む勝ち越しホームラン。この一発が決勝アーチとなり、チームの窮地を救うことになった。それでも「追い込まれる前にしっかり自分のスイングをして、ホームランだったりしっかり打球を放つのが理想の形」と気を引き締める宇草。不利な条件からでも打てたことに満足しながらも、理想は有利なカウントで自分のスイングをすることだと、さらに上を目指すことを忘れない。

宇草孔基選手 ©広島ホームテレビ

そんな向上心の塊のような宇草は昨シーズン、アクシデントに野球を奪われた。昨シーズン終盤に一軍デビューを果たし、13試合11安打で外野のレギュラー争いに名乗りを上げた矢先。右足にデッドボールを受け、右腓骨を骨折。手術するもシーズン中の復帰はかなわず、不完全燃焼でルーキーイヤーを終えた。「野球をするのが仕事なので、それができないということが一番苦しかったが、“復帰した時に進化をして帰ってやる”という強い気持ちで常にやっていた」。その心の支えになった言葉は、主砲・鈴木誠也からかけられたものだという。

 

実戦復帰を果たしたのは4月下旬。すると新型コロナウイルスでチームの主力が相次いで離脱し、代役として宇草に白羽の矢が立った。チームのピンチと言えど、自分にとっては願ってもないチャンスと、ここぞとばかりにアピール。6月5日の楽天戦では、日米通算180勝の田中将大からプロ初ホームランを放ち、印象付けた。

 

主力が戻ってからも一軍で戦い続ける宇草。「本当に悔いのないように、毎日とにかく一軍に食らいついていけるように」と、野球ができる喜びをかみしめながら、全力で駆け抜ける。

 

 

広島ホームテレビ『ひろしま深掘りライブ フロントドア』(土曜13:00) 6月26日放送

ライター 湯谷葉子

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