広島に届く折り鶴が示すSDGs【地球派宣言】
平和への願いと祈りが込められた「折り鶴」。
折り鶴 (C)HOME
世界中から広島の平和記念公園に届けられるその数は、年間に約1,000万羽と言われています。
原爆の子の像」そばの折り鶴ブース (C)HOME
そして、この人々の想いは形を変え、広がっていきます。
広島市中区国泰寺町にある文華堂では、平和を願う活動として、また「持続可能な開発目標(SDGs)」の一環として、折り鶴を再生紙としてリサイクルする活動を行っています。
文華堂の店内 (C)HOME
代表取締役社長の伊東 剛さんによると、この活動を2011年から開始。
「印刷業を営んでいる関係で、広島のために何か役に立てるんじゃないか」という想いで始めたそうです。
広島に寄せられる膨大な量の折り鶴。
年間10tにものぼる量を保存し続けるには限界があり、2001年より前は廃棄処分されていました。
こうした中、広島市が折り鶴の活用案を公募。
“広島から再び生まれた鶴を世界中に飛ばす”をコンセプトに「おりづる再生プロジェクト」が誕生しました。
このプロジェクトは環境問題への配慮の他にも、身体障がい者の雇用や広島市原爆ドーム保存事業基金への寄付活動などにもつながっていて、SDGsが掲げる17の目標のうち、次の3つの項目に貢献しているといえます。
「働きがいも経済成長も」
「つくる責任つかう責任」
「平和と公正をすべての人に」
こうして再生紙としてリサイクルされた折り鶴は、名詞、便箋や封筒、商品のパッケージなどに生まれ変わります。
おりづる再生紙による便箋と封筒 (C)HOME
伊東社長は、
「やっていることは非常に小さな一歩かもしれないですが、持続可能な世界の実現に貢献し続ける企業でありたいと思うと同時に、広島、そして世界の平和を祈念して、プロジェクトの活動をしていきたい。」と語ります。
すべての人たちが、豊かな地球と世界のために取り組むSDGs。
環境問題の解決から、働きがいや経済成長、そして、人々が平和と公正のもとに生きていける社会を作ることにまで至ります。
折り鶴に込められた願いは、再び紙となり、希望となって羽ばたいていきます。
願いは形を変えて人々のもとに (C)HOME