【カープ】気迫のピッチングでチームの連敗を止めた九里亜蓮。勝利を呼びよせた一球に迫る
「一戦一戦、勝つためにやっているだけ。いかにチームの勝ちにつながるピッチングができるかを常に考えている」。
そう語るのは、チームの勝ち頭、九里亜蓮投手。
広島ホームテレビ『ひろしま深掘りライブ フロントドア』では、タフネス右腕の九里投手をフカボリ。開幕からローテーションを守り、先発の柱として健闘する久里投手の今シーズンを追った。
※データはすべて2021年5月15日O.A.時現在 ※以下、敬称略
九里亜蓮投手
ここまでチームトップの4勝をマークし、先発の柱としてマウンドを託されている九里。投球イニング数も森下暢仁の49に次ぐ、45で2位となっている。
「1イニングでも、1アウトでも多く投げることが必要なことだと思うし、自然と信頼度につながってくると思うので、そのへんは常に高いところを目指してやっていかないといけない」と、イニング数にもこだわりを持つ。
先発としてより長いイニングの登板を目指す中、九里は今シーズン、最も自信を持って投げ込んでいるボールがある。それは『ストレート』。
「僕自身(持ち球:ストレート、シュート、ツーシーム、スライダー、カットボール、カーブ、チェンジアップ、フォーク、ナックルボール)、変化球が多いし、相手が変化球を待っている時に、しっかりとした真っすぐを投げ切ることができれば良い結果になると思う。逆に1打席に限らず2打席3打席対戦する中で、変化球も生きてくると思うので、まずは真っすぐを大事にしている」と明かす。
練習中の九里投手
多彩な変化球で、相手打線に狙い球を絞らせないピッチングスタイルの中で、今最も自信を持つストレートは、チームの連敗を止めた。
その試合は5月8日。チームは6連敗と苦しむ中、先発マウンドに上がった九里は、自信を持つストレートを効果的に使い、中日打線を封じる。
その後、2対2の同点で迎えた6回。2アウト2、3塁とこの試合最大のピンチを迎えた。バッターボックスには前の打席で2塁打を許した阿部寿樹。追い込んでから選んだボールは『ストレート』だった。
「(点を取られないために)今一番投げられるボールを選択した中で、坂倉もそのチョイスをしてくれたので、自分の投げるボールにしっかりと自信を持ってストライクゾーンに投げ込んだ」と振り返る。
その後は守護神、栗林良吏が再三のピンチもホームを踏ませず。ルーキーの活躍もあり、チームの連敗もストップ。九里はチームトップの4勝目をあげた。
「(栗林のピッチングは)すごいの一言。キャッチボールをたまにするが、ボールを捕っているだけでも回転の良い真っすぐや、強いボールも投げている。僕がもう1イニング、2イニングでも投げることができれば良かったが。後ろを投げてくれたピッチャーにも、野手にも感謝しかない」と、チームメイトへの賛美や感謝の気持ちも忘れない。
九里が少しでも長くマウンドに立ち続けることがチームの上位浮上には欠かせない。
広島ホームテレビ『ひろしま深掘りライブ フロントドア』(土曜13:00) 5月15日放送
ライター 湯谷葉子