【カープ】若き韋駄天・羽月隆太郎がプロ3年目に見せる進化とは

「失敗してもどんどん行けと(コーチ陣から)言われているので、どんどん行く気で毎日やっている」と、力を込めるのは羽月隆太郎(はつき りゅうたろう)選手。俊足をいかして数字を伸ばしている“盗塁“への意気込みをそう語った。

 

広島ホームテレビ『ひろしま深掘りライブ フロントドア』では、プロ3年目の若鯉・羽月選手をフカボリ。俊足巧打で存在感を示す羽月選手が、さらなる活躍を目指して奮闘する姿を追った。

※データはすべて2021年5月8日O.A.時現在
※以下、敬称略

羽月隆太郎選手 羽月隆太郎選手 (C)HOME

 

練習前の声出しで軽妙な一発芸を披露するなど、底抜けの明るさでチームを盛り上げる鯉の元気印・羽月。
高卒2年目の昨シーズン、一軍デビューを果たし17試合に出場。今シーズンは春季キャンプを初めて一軍で完走するも、開幕は二軍スタート。
それでも開幕からおよそ2週間後に昇格、4月27日のDeNA戦では満塁のチャンスで走者一掃のタイムリー3塁打を放ち、勝利に貢献した。
この試合でプロ初の猛打賞を獲得し、森下とともにお立ち台に上がったのも記憶に新しい。

 

今シーズンはすでに去年に並ぶ17試合に出場。そのうち10試合は2番打者として主軸への繋ぎ役として重要な役割を任せられている。
チームの参謀、河田雄祐ヘッドコーチも「(バットに)当てることが上手いので、当ててゴロさえ打ってくれれば併殺が崩れて、羽月から仕掛けられるというところもある。初回の攻撃は最初から構えたバントとかではなく、ある程度ヒットも狙いつつのバントとか、非常に上手にやってくれる」と評価する。

練習中の羽月選手と河田雄祐ヘッドコーチ 練習中の羽月選手と河田雄祐ヘッドコーチ (C)HOME

 

「打撃については、(鈴木)誠也さんと結構話したりする。“バコバコ振る選手じゃないから、自分が思ったところに思った打球がいくように“と言われて意識している」と話す。
日本を代表するバッターから教わった『狙った場所に打ち分ける』意識で、つなぐバッティングに磨きをかける。

 

そんな羽月がチームトップの数字を叩き出しているのが“盗塁数”。
今シーズン、ウエスタンリーグでは10試合、10盗塁。一軍昇格後も5盗塁をマークし、盗塁成功率100%。持ち前のスピードを存分に発揮している。

走塁練習中の羽月選手 走塁練習中の羽月選手 (C)HOME

一軍デビューを果たしたものの、一度も盗塁を決めることができなかった去年との違いは何なのか、と問うとー。

「スタートかな?(投手の)クセはいろいろあるが、そこではなく自分が思った時に自分の力でスタートを切る。自分の感覚で走ること」と明かす。
一番の変化はスタート。次の塁へ動き出すタイミングを研究し、自分の理想に少しずつ近づけていった。
河田ヘッドコーチも「ピッチャーによるが、羽月に任せても良いかなという感じがする」と目を細める。

 

抜群のスタートで機動力の要へ。目標とするのは「バッティングでも人がいない所に打つ。塁に出たら走る」という元阪神タイガース・赤星憲広氏。
かつて5年連続の盗塁王に輝いた球界屈指のスピードスターを目指し進化し続ける羽月隆太郎・21歳のシーズンは、まだ始まったばかりだ。

 

 

広島ホームテレビ『ひろしま深掘りライブ フロントドア』(土曜13:00) 2021年5月8日放送
ライター 湯谷葉子

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