【カープ】プロ初スタメンで初ヒット!4年目・中村奨成のシーズンにかける決意とは

「俺ならやれるんじゃないかなと思っていた」と目を輝かせるのは、中村奨成選手。
二軍での好成績の勢いを持って一軍に昇格したその日、4月16日にプロ初ヒットをマークした試合をそう振り返った。

 

広島ホームテレビ『ひろしま深掘りライブ フロントドア』では、プロ4年目の中村選手をフカボリ。初ヒットから見えた成長の証や恩師への思い、今シーズンにかける決意を聞いた。
※データはすべて4月24日O.A.時現在 ※以下、敬称略

中村奨成選手 中村奨成選手(フロントドアインタビューより)

 

2017年、夏の甲子園。広陵高校3年の中村は、6本の本塁打を放ち、清原和博氏(PL学園)が持っていた1大会で個人最多本塁打の記録を32年ぶりに塗り替えて見せた。
そしてドラフト1位で競合の末、導かれるように地元カープに入団。日本中の注目を浴びた高校野球のスターに期待がかかる中、キャッチャーというポジションで層の厚さやケガもあり、プロ入りから2年間は二軍で鍛錬の日々。
3年目でようやく一軍の舞台に立つも、与えられたのは代打での4打席、4打数ノーヒットで爪痕を残すことができなかった。

勝負の年となる今年、春季キャンプは初めて一軍で完走。開幕一軍こそ逃したもののウエスタンリーグで16試合に出場し、打率.286、本塁打2本、打点8。結果を残し、4月16日の中日戦で再びチャンスを掴んだ。

満を持しての一軍昇格でいきなりの初スタメン。しかし任されたポジションはキャッチャーではなく、レフトだった。

「正直キャッチャーとして試合に出たいという気持ちもあるが、現状難しい。自分の長所である足や肩を生かしてくれる外野などに挑戦させてもらっているのをチャンスと捉え、やれることはすべてやろうと思っている」と明かした。

 

可能性を広げるため今季に入って取り組んできた外野やサードへの挑戦がスタメンのチャンスを手繰り寄せた。

第1打席は空振り三振、第2打席は四球。そして待ちに待った瞬間は、5回の第3打席にやってきた。フルカウントからの7球目。インコース高めの球を力強く引っぱる2塁打。このプロ初ヒットに、中村自身も成長を実感したという。
打てた要因は、1球目と3球目の低い球に手を出さず見逃せたこと。もう一つの要因は6球目。ファーストのファールフライを取られなかったこと。

「打席を外して“今日、もってるんじゃないかな”と言ってしまった」と白い歯を見せる。

 

「追い込まれていたし、とにかく全部打ちに行くぞ、食らいつくぞという気持ちで向かっていった。それがいい角度でバットが出てくれて、しっかり回転で打つことができた。見逃せばたぶんボールだったと思う。ああいうところも自分らしいヒットかなと思う」と分析する。

 

プロ初ヒットを放った日、連絡をしたのが広陵高校の恩師、中井哲之監督。

「“よかったのー”と言ってもらえて、その言葉だけで嬉しいし、がんばってきてよかったなと思った。どんなに活躍しても謙虚でいろ、という中井監督の言葉を忘れずにやっていきたい」と自身を戒める。

 

21歳のプロ野球人生はまだ始まったばかり。

「一本出て波に乗っていけると思うので、とにかく試合に出してもらえるように練習からアピールして、出たらしっかり結果を出せるように。なんとか今年1年、一軍に喰らいつけるように必死にやっていきたいと思う」と力を込めた。

 

 

広島ホームテレビ『ひろしま深掘りライブ フロントドア』(土曜13:00) 2021年4月24日放送
ライター 湯谷葉子

LINE はてブ Pocket