海の世界遺産 モン・サン・ミッシェルが直面していた危機【地球派宣言】
![モン・サン・ミッシェル](https://hread.home-tv.co.jp/wp-content/uploads/2021/02/0e8365ae10d547e83525ab382fe0ee08-1024x576.jpg)
フランスにある、海の世界遺産「モン・サン・ミッシェル」。
海上のピラミッドとも呼ばれ、多くの人々が心のよりどころとして岩山に建つ修道院を訪れます。
ところが・・・。
この聖地は以前、砂に埋もれるという危機に直面していたのです。
島の歴史は700年代初頭にはじまります。
日本では奈良時代の直前です。
高さ80メートルの岩山に、大天使ミカエルのお告げで司教オベールが小さな礼拝堂を建てたのが、その始まりといわれています。
![礼拝堂](https://hread.home-tv.co.jp/wp-content/uploads/2021/02/6f4c29336a3fbbb12686641a42130065-300x169.jpg)
建物は何世紀にもわたり少しずつ増築され、今日の巨大な修道院ができあがりました。
巡礼者たちは、干潮時にできる干潟を歩いて島へわたって訪れていました。
ところが約130年前、モン・サン・ミッシェルの様相を変える事態が起きたのです。
積もりに積もった砂・・・。
モン・サン・ミッシェルは、海ではなく砂に囲まれることになりました。
![砂に囲まれた状態に](https://hread.home-tv.co.jp/wp-content/uploads/2021/02/6757cd891bcff3e50cbc48ddc98c711a-1024x576.jpg)
原因は、巡礼者や観光客のために土を盛って作った2kmにおよぶ道路でした。
潮の流れが変わり、砂が堆積。
そのため、1年にわずか50日ほどしか海に囲まれなくなったのです。
![島にわたるための堤防道路](https://hread.home-tv.co.jp/wp-content/uploads/2021/02/cde973e32109b12d90989a48c24d4604-300x169.jpg)
大潮になると、海が動き始めます。
潮が満ち、海に囲まれたモン・サン・ミッシェル。
これが本来の姿です。
![海に囲まれたモンサンミッシェル](https://hread.home-tv.co.jp/wp-content/uploads/2021/02/4355e65c4305b03b1625238824e2967a-1024x576.jpg)
その後、モン・サン・ミッシェルの美しさを取り戻すために、再生計画が進められました。
130年前に作った道路を無くし、かわりに島まで橋をかけて、潮の流れを元に戻したのです。
2014年に橋は完成、総工費は約300億円でした。
さらに、川の上流にダムを作り、たまった水で砂を押し出すという計画も進められました。
![ダムによる再生計画](https://hread.home-tv.co.jp/wp-content/uploads/2021/02/baea63d0555df68319a905b6129ddbf1-300x169.jpg)
失った風景を取り戻すのには、莫大な費用と時間がかかるのです。
【地球派宣言アーカイブズ(2011年フランス)より】
広島ホームテレビ『みみよりライブ 5up!』
地球派宣言コーナー(2021年2月24日放送)
![SDGs](https://hread.home-tv.co.jp/wp-content/uploads/2021/02/66b535962734fccd0f40b2abe32bf6ba-300x169.jpg)