【福山大学】キャンパスで野生動物の生態調査|地球派宣言

福山市の西部にある福山大学。

敷地の広さは、マツダスタジアム約5個分に相当する約25万㎡で、キャンパスには豊かな自然が広がっています。

生物工学科(令和6年4月から生物科学科) 佐藤淳教授のグループは、生物多様性を研究するために様々な調査を行っています。

 

空から見た福山大学

 

この日行われたのは、キャンパス内での生態調査のひとつ。

やって来たのは池ですが、生き物の姿は見当たりません。

すると…池の水を汲み始めました。

 

池の水を採取するようす

 

実は、水の中に残された動物の痕跡をDNA分析し、どんな動物がいるかを発見していく調査だったのです。

 

生物工学科 佐藤淳教授のグループが行っている調査のようす

 

生物工学科の堀 晶瑛さんは、池の水の中に残っていたDNA分析をする中で、マガモやオシドリがキャンパス内にいることが分かったそうです。

 

生物工学科 堀 晶瑛さん

 

採取した池の水は、専用の機械を使ってDNA分析します。

浮かび上がったDNAの配列をデータベースに照らし合わせることで、水を調べるだけでどんな生き物がいたかが分かるのだそう。

 

DNAシークエンサーについて説明する佐藤教授

 

さらに、野生動物が暮らしていることが分かる観察実習も行っています。

キャンパス内に温度を感知して撮影するカメラを設置すると、夜行性の哺乳類の姿が明らかに。

 

トレイルカメラを設置するようす

 

子どもを4頭連れた母親のイノシシや日本固有種のニホンテンの撮影に成功しました。

 

イノシシを撮影した茂み

 

このようなカメラを使った実習は、どんな生き物がいるのかを知るのに直接的で良い方法なのだそう。

また、身のまわりにどんな生き物がいるかを知ることが重要だと佐藤教授は言います。

 

撮影したイノシシ

 

撮影したニホンテン

 

キャンパスに野生動物の存在を確認し、調査はさらなる段階へ。

 

森に仕掛けたトラップ

 

森の中に仕掛けておいたトラップの中にいたのは、森のネズミと呼ばれる『アカネズミ』。

 

アカネズミ

 

この調査では、アカネズミが何を食べているのかを糞から分析しているそう。

この調査を行っている渡壁 愛翔さんによると、ヤガ科の昆虫やどんぐりなどのブナ科の植物を多く食べていることが分かったそうです。

糞に含まれるDNAを分析することで、食物連鎖の一部を解明することができます。

 

生物工学科 渡壁 愛翔さん

 

生物工学科の佐藤教授は、「福山大学のキャンパスには、元から住んでいた動物がたくさん生息しているので、動物たちが生態系の中でどんな役割を持っているのか、どういう食物連鎖の関係があるのかといった、生物多様性を研究する上でとても良いキャンパス」と言います。

 

分析のようす

 

水の採取のようす

 

身近な場所に広がる自然から生き物のつながりを知ることで、多様な生き物との共存の道が見えてくるのではないでしょうか。

 

キャンパスでの調査のようす

 

 

 

広島ホームテレビ『ピタニュー
地球派宣言コーナー(2023年12月20日放送)

SDGs

 

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