【長い年月をかけて豊かな山へ】山と共に生きる小さな林業|地球派宣言

11月下旬。安芸太田町でチェーンソーの音が鳴り響いていました。

 

倒れる木

 

大きな木を切り倒したのは、地域おこし協力隊として活動する大谷和輝さんです。

兵庫県から安芸太田町に移住し、今年林業を始めたばかり。

 

安芸太田町地域おこし協力隊 大谷和輝さん

 

元々、兵庫県で金物の営業をしていた大谷さんですが、林業従事者の方の作業風景を見て興味を持ったそう。

その頃テレビ番組で、ある林業の取り組みを知りました。

「林業は林業でも、こんな形の林業があるんだ」と興味を持ったのが、『自伐型林業』。

 

作業をする大谷さん

 

『自伐型林業』とは、最小限の木を間伐して山を育てる林業。

少人数で小型の機械を使用し、資格も必要ありません。

山に木を残しつつ間伐を長期に渡って繰り返すことで木の成長を促し、持続的に山を豊かにしていくことができます。

 

森林のようす

 

この日は、先輩2人に教わりながら、高さ15m程の杉の木を切っていきます。

倒す方向を決めて、他の木に当たらないよう慎重に。

 

先輩に教わりながら作業をする大谷さん

 

木を切り倒したあとは、いつも安心するという大谷さん。

先輩が切り株を見てみると…「水平になっていて、とても良いです」とお褒めの言葉が。

1本の木を切り一安心です。

 

切り株

 

そして、この1本の木を切ることにも意味があると大谷さんは言います。

森は密になるほど豊かな森に見えますが、実は、密なほど木には光が当たらず、木々の成長がおろそかになるのだそう。

 

説明をする大谷さん

 

1本の木を切ることで、その横の木が枝を伸ばし成長することができるとのこと。

枝を生やすと葉が出てくるので、生育にもいいんです。

 

日光が入る森林

 

自伐型林業は、山に手を入れることで長期に渡って豊かな森を作ることができます。

 

チェーンソーで木を切るようす

 

安芸太田町では山を育てるだけでなく、人を育てる取り組みも行っています。

大谷さんの林業の先輩でもある倉本さんは、「静かなブーム」と言います。

 

倉本泰樹さん

 

大谷さんには、自身が参加した林業を伝えるイベントで印象に残ったことが。

それは、参加していたお子さんの「木を切ってかわいそう」という言葉。

大谷さんは、「確かにそうだと感じるかもしれないけれど、木も切らないと生育に良くない。

野菜も間引いたりすると思うが、それと同じで森にも手を入れることが大事」と言います。

 

木育ふれあい【提供:安芸太田町役場】

 

木育ふれあい【提供:安芸太田町役場】

 

まだ、林業経験1年未満の大谷さん。

林業に携わり、「毎回の作業が新鮮、学びの連続で楽しい」と感じているそうです。

山を育む小さな林業が豊かな森を作る。

これからも大谷さんの山づくりは続いていきます。

 

大谷さん

 

 

 

 

広島ホームテレビ『ピタニュー
地球派宣言コーナー(2023年12月13日放送)

SDGs

 

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