今年の十五夜(中秋の名月)は9月29日。お月見は広島の郷土料理「だんご汁」を食べよう!
秋分の日を過ぎ、日が短くなってきました。秋の夜長を楽しむ季節の風物詩といえば、お月見ではないでしょうか。
毎年9月中旬~下旬ごろの「十五夜」(旧暦8月15日)の月は「中秋の名月」と呼ばれます。月見は平安時代に中国から伝わり、もともと中国では月餅を供えていたのが、日本ではお月見団子を供える風習として根づいたのだとか。以来、この日にお団子を供えて月を愛でる風習は今に伝わっています。
写真はイメージです
お月見にはお月見団子を供えるのが一般的です。日本では、古くは秋に収穫期を迎える里芋などのイモ類を供える収穫儀礼があり、その後水耕栽培が発達するにつれて稲の収穫儀礼と結びついて、米を使って作られるお団子を供えるようになったと考えられています。
お月見団子で多くの人が想像するのは、三方(さんぽう)という台にピラミッドのように盛り付けたお団子ではないでしょうか。
でも、地域によってお月見団子もいろいろ違いがあるんです。
広島のお月見には郷土料理の「だんご汁」
たとえば、広島市でお月見に食べられるのは「だんご汁」。
白みそ仕立ての汁に、里芋、大根、ごぼう、しいたけなど旬の野菜やお肉がたっぷり、そこにだんごが入った郷土料理です。
全国には山梨の「おつけだんご汁」や岩手の「まめぶ汁」、福岡の「だんご汁」などさまざまなだんご汁がありますが、その多くは小麦粉で作られたお団子。いわゆる「すいとん」です。
一方で、広島のだんご汁の特徴は何といっても、もち米とうるち米をブレンドした満月のようにまん丸でもちもちのお団子と、上品な甘さの白みそです。
といっても、芋や雑穀を混ぜたり、白みそではなく合わせみそやしょうゆ仕立てにしたりと、地域や家庭によってさまざまだったようです。
一般的に白みそを使うのは、浄土真宗の安芸門徒を通じて、精進料理として京の都から伝わったからだとか。そのころは精進料理で野菜と穀物だけだったのかもしれませんが、今では鶏肉、豚肉、家庭によっては穴子や牡蠣など広島の海の幸を入れることもあり、すっかり広島風にアレンジされているようです。
今年の中秋の名月は9月29日(金)。今年は満月の日にあたります!
秋の夜長にゆっくり満月を眺めながら、お椀の中の小さな満月も愛でておいしく味わってみませんか?
広島市内のスーパーでは、お月見シーズンになると、広島の老舗、上万糧食製粉所と新庄みそがコラボした「広島だんご汁手作りセット」が購入できます。お団子を丸め、具材を用意して一緒に煮込むだけでお手軽に郷土料理「だんご汁」が食べられます。
スーパーに立ち寄ったらぜひチェックしてみてくださいね。