「自分は違う」は要注意・子どもを不幸にする毒親の実態を調査
子どもの幸せを妨げる親の総称「毒親」。
子どもを支配、放置するなどして子どもに深刻な影響を及ぼします。
そんな毒親の実態を調査。そして、毒親にならないためにできること、毒親の影響を克服するにはどうすれば良いかを考えました。
【毒親のタイプ】
毒親には大きく3つのタイプがあると明治大学の諸富祥彦教授は話します。
中でも、最も子どもに悪影響を与えるのが「支配的な親」なんだそう。
毒親のタイプ
「娘と母親の関係が分かりやすいと思います。母親は娘に対しては、自分の一部と感じてしまう悪い傾向がある。そうすると、娘を自分のいいようにコントロールしてしまう。その結果、娘は母親の望む人生を生きることになってしまい、自分の人生を生きることができなくなってしまう」
諸富教授は、日本の3~4割は毒親ではないかと推測していますが、こうした毒親はなぜ生まれてしまうのでしょうか。
「親自身が幸せじゃないからだと思います。自分が毒親に支配されたり、パートナーに支配された方もいると思います。そうすると、”なんで自分だけこんな辛い目にあわなきゃいけないの”と思ってしまい、コントロールしやすい子どもに対して悪意を向けてしまう」
親自身が幸せになることが、毒親になることを回避する方法。
毒親に支配されていた人も、自分で不幸の連鎖を断ち切るのだと思ってほしいと諸富教授は語ります。
毒親にならないために
【あなたは毒親?毒親チェック】
親が「毒親」だと感じる事がある?(合同会社serendipity調べ)
「自分も毒親かもしれない…。」
そう思った方は、下記「毒親チェックリスト」で確認してみてください。
6~7個当てはまったら危険信号です。
毒親チェックリスト(出典:毒親育ち専門カウンセラー あこ姉Instagram)
【毒親の影響を克服するために】
毒親に育てられた子どもにはどのような影響があるのか、
また、自分が毒親にならないためにはどうすれば良いのかを、毒親育ち専門カウンセラー「あこ姉」さんに聞きました。
自身も継母から暴力を受けていたというあこ姉さん
「毒親に育てられると、愛着がしっかりしていない方が多い。例えば、異性に対して試し行動をしてしまうとか」
自己肯定感が低くなってしまい、自分で物事を決められなくなってしまうなどの影響が出てしまうとあこ姉さんは話します。
毒親の子どもへの影響
では、こうした毒親の影響を克服するにはどうすれば良いのでしょうか。
「まずは人に今の悩みを打ち明けて、自分の悩みの深さや原点を認知することから始まります。いつも同じ人に相談をしてしまうと、相手が疲弊するかもしれないので、カウンセラーなど専門家に話すのが一番良いと思います。今はSNSもあるので、自分に合いそうな専門家をそこで見つけるのも良いと思います」
また、今毒親に育てられているという人に対しては、
「この世界がすべてじゃない。親だけがすべての大人のモデルではない、自分の世界だけが全てではないと知る力を身につけていってほしい」
と話します。
一人で抱え込まず、専門家に相談することで、不幸の連鎖を断ち切るきっかけになるかもしれません。
オンラインによるカウンセリングをしている専門家もいるそうなので、勇気を出して話してみることが問題解決の第一歩になるのではないでしょうか。
広島ホームテレビ『ピタニュー』(2023年9月13日放送)
ライター:神原知里