【養豚に天ぷらカー】大家族の自給自足の暮らしをご紹介
ほぼ自給自足の生活をしている坂本さんファミリーに密着。
坂本さんファミリーは、三原市に住んでいる9人の大家族。
どんなふうに自給自足の生活をしているのかをご紹介します。
【主な収入源は”養豚”】
「桜の山農場」を営む坂本さんファミリー。
そんな家族の生活を支えているのは、なんと”養豚”。
17頭の豚を飼育している
豚の餌にしている削り節のくずは、尾道の会社からご好意で譲っていただいたもの。
地域内で出る廃棄になってしまう食材「未利用資源」を豚の餌や有機農業に活用し、地域循環型の農業を行っています。
経費0円の養豚スタイルを採用している坂本さんファミリー
【水も車の燃料も0円。驚きの自給自足生活】
「生活で必要なインフラはだいたい自給できるようになった」
と話すのは、父親の坂本 耕太郎さん。
水は井戸水を使っています。
また、手作りで小さなかまどを作る技術を覚えたそうで、料理はかまどや薪ストーブで作るようになったそう。
食費は1カ月で約4万円。9人家族の食費にしては安いのでは!?
今ではお子さんもかまどで米を炊けるようになった
お風呂は真空管温水器を使用。
真空のガラス管の中にあるステンレス管を水が通り、太陽熱で温められてお湯になるという仕組み。
真空管温水器に付いているタンクは、メーカーからクレーム品を譲ってもらったそう。
真空管温水器は約41万円で購入
家の屋根にはソーラーパネルが設置してあり、家族が使う電気を作りだしています。
家にエアコンはなく、3台の扇風機で暑さをしのいでいるそう。
「そろそろエアコンもいいな」
と耕太郎さんは話します。
リスクヘッジのため、電力会社と契約はしているそう
冷蔵庫も譲っていただいたものなんだとか
坂本さんファミリーの“生活の足”である車は2台。
そのうちの1台はなんと天ぷら油で走る自動車なんです。
100%天ぷら油で走る通称”天ぷらカー”
耕太郎さんが試行錯誤し、天ぷら油で走るよう改造した車。
廃棄される天ぷら油をいただいて、それを燃料として使っています。
実際に天ぷら油を提供した天ぷら店「天吉」に話を聞くと、
「うちとしては再生して使っていただけるなら喜んで持ち帰っていただきました」とのこと。
いただいた廃色油をろ過する装置は、全国の天ぷらカー仲間と試行錯誤して作ったんだそう。
天ぷら油の再利用の要であるろ過装置
“平和について考えるとエネルギーにたどり着く”という言葉を知り、
暮らしのエネルギーも自給していく生き方が自分たちのできる平和活動なんじゃないかと考え、自給自足の生活にたどり着いたという坂本さんファミリー。
テクノロジーと知恵を融合させた自給自足生活、これから広がっていくかもしれませんね。
広島ホームテレビ『ピタニュー』(2023年8月29日放送)
ライター:神原知里