SNS犯罪やトラブルから子どもを守るために。親子で考えたいスマホの使い方

子どものスマートフォン(以下スマホ)事情やSNS犯罪の現状を徹底調査。

SNS犯罪やトラブルから子どもを守るために何をすれば良いのかを考えます。

 

【子どもたちのスマホ、SNS利用状況】

子どもたちのスマホ専用率を見ると、自分専用のスマホを持っている小学生は64%に上ります。

また、中高生のほとんどがSNSを利用しているという結果に。

 

スマートフォンの専用率(内閣府「令和4年度 青少年のインターネット利用環境実施調査」)

 

SNSの利用状況(総務省「令和4年通信利用動向調査」)

 

子どもたちがSNSでトラブルや犯罪に巻き込まれてしまうこともあります。

SNSで起こる犯罪の現状について、サイバー防犯教室の運営などに取り組んでいる文教大学の池辺 正典教授に話を聞きました。

 

SNSに起因する事犯の被害児童数(出典:警察庁)

 

「SNSを通じた犯罪について、令和元年がピークでそこから若干は減少しています。件数が比較的多いのは児童ポルノ。被害者も加害者も低年齢化が目立っていまして、非常に増えているのが高校生ですね」

 

「被害児童の学識別割合」と「10代被疑者の学識別割合」(出典:警察庁)

 

被害者も加害者も高校生が増えているという、SNSを通じた児童ポルノの犯罪。

SNS犯罪に対する意識について、高校生に街頭インタビューを行いました。

 

「変なDMが着ても、承認しないと返せないようにしている」

「広告から変なところに飛んだりするけどすぐ消します」

 

また、犯罪まではいかずともSNSによるトラブルがあったという声も。

 

「クラスのグループLINEで写真を送って揉めてた。本人の許可なく投稿してたみたいです」

「携帯を子ども同士が使っていて、男子が用を足している動画を撮影して問題になった」

 

ネットで拡散されていたら、と思うとゾッとします…。

 

【SNS犯罪やトラブルから子どもを守るために】

 

子どものインターネット利用に関する保護者の取り組み(内閣府「令和4年度 青少年のインターネット利用環境実態調査」)

 

親の知らない所で起こるスマホやSNSを介したトラブル。

こうした被害から子どもを守るために必要なこととは?

 

「『ペアレンタルコントロール』という言葉があるんですけど、ある程度子どもたちのネット利用を保護者が管理していく。

また、最低限として子どもに流行っているツールやアプリを知っておくこと」

と、池辺教授は話します。

 

ペアレンタルコントロール

 

親の管理例。子どもが使っているツールやアプリを把握していると、登録されている「フレンド」状況などを知ることができる

 

また、SNSマナー講師の光田 綾華さんは

「SNS犯罪の被害にあわないためには、子どもとのスマホルール作りが必要」

と話します。

 

「スマホを契約する前が、一番親が優位に立てる(笑)まずルール作りからスタートして契約してもらえれば」

 

ルールを作る上で一番大事なのが、子どもの意見を聞くことなんだとか。

 

親と子でスマホの使い方に対する価値観が違う

 

「子どもなりにスマホをどう使いたいかを聞いて、ルールを決める。

ルールは可視化することをおすすめしています。

一度決めたルールを守れないこともあるので、ルールを見直す時期を決めておくことも大切です」

 

既に子どもがスマホを持っている場合は、物々しい雰囲気を演出して家族みんなで話し合いの場を作り、ルールを考えるのがおすすめなんだそう。

また、子どもに不公平感を与えないために、”家族のルール”として、親も一緒にルールを守るようにすると、子どもが納得しやすいそうです。

 

就職活動の情報収集や、企業においてもSNS活用が前提となっている現代。

SNSを有効に使うために、SNSの知識や適切な使い方を子どもと一緒に考えていくことが、犯罪やトラブルから子どもを守る第一歩なのかもしれません。

 

 

広島ホームテレビ『ピタニュー』(2023年7月19日放送)

ライター:神原知里

 

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