米国最大のカスタムカーショーに広島から挑戦!アメ車カスタムの魅力をフカボリ! 

アメリカ・ラスベガスで開催され、全世界からカスタム&チューニングカーが集結するアメリカ最大のカスタムカーショー「SEMAショー」。世界中が注目する見本市に、アメリカ企業から依頼を受けデモカーを作成し展示する広島の企業がある。

 

広島ホームテレビ「HOMEぽるぽるTV」では、「SEMAショー」に挑戦する企業に密着。出展への意気込みや、アメ車カスタムカーの魅力に迫った。

 

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広島市安芸郡海田町にあり、来年で創業20年を迎える「ジェットシティ」。アメ車の新車・中古車を中心に修理・カスタマイズを得意としている。店内には、全国開催のカスタムカーショーの様々な受賞トロフィーが並び、その技術力の高さをうかがわせる。「アメリカにスタッフがいて、お客さんから受けたオーダーは、現地のスタッフが仕入れているので、日本で発売されていない車種や部品も仕入れることができます。もう少しここがこうだったら…という要望があれば、うちは全部作っているのが特徴。できませんとは言いたくないんです。」と社長の萩原克弘さんは、カスタム技術に自信をみせる。

 

社長の萩原克弘さん

 

ガレージを見せてもらうと、ガルウィングやエアサスペンションのついた車など、こだわりのカスタムカーがずらりと並ぶ。

その「ジェットシティ」が挑戦するのが、アメリカ・ラスベガスで毎年開催されている、世界最大規模の自動車アフターマーケットの見本市「SEMAショー」への出展だ。

米国自動車工業会「SEMA」が主催し、東京ドーム7個分の会場で、2,000を超える自動車部品・自動車メーカーが出展する、世界が注目するカーショーだ。

 

毎年、知識を吸収する“勉強の場”として訪れていた萩原社長だが、次第に自分の車をそこへ出展したいという“目標”に変わっていったという。そんな時に、社長のもとにある依頼の話が舞い込む。アメリカの自動車部品メーカー・ユニバーサルエアーから、SEMAショーへ出展するデモカーを作ってくれという依頼があったのだ。

「SEMAショーに出展する車は、2017年式のフォードのマスタング。ユニバーサルエアーのブースが、フォードのブース目の前だったので、純正のマスタングとカスタムしたマスタングとを比較してもらえると思って選びました。」

 

大きな目標であったSEMAショー。しかし、2020年の開催は新型コロナウイルスの影響で中止になってしまった。意気消沈しかけた萩原社長だが、来年のイベントに向け時間ができたと前向き捉え、再挑戦に燃えている。

「アメ車はアメリカの車で、カスタムするのもアメリカの文化。それを日本人がカスタムをして、日本から持っていくという挑戦。日本人が作るアメ車というものが、どこまでアメリカで評価されるのかがすごく楽しみです。」

 

来年の出展に向けて制作が進むマスタング。まず目をひくのは、炎の模様が鮮やかに描かれたインパクトのあるカスタムペイントだ。ペイントは、ファイヤーパターンなどのカスタムペイントで日本を代表する「TM AUTO SERVICE」が手掛けるほか、エアブラシで描かれるリアルな炎は、「SEMAショー」でもデモンストレーションをしているという有名エアブラシペインター「A-HAND」に、仙台から広島に来てもらい描いてもらったという。塗料だけでも60キロを使用しているというから驚きだ。

 

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さらにこだわっているのが、エアサスペンション。ユニバーサルエアーから、完全に着地する状態のマスタングを持ってきてくれというオーダーがあったそうで、ボタン1つで地面すれすれまで車体を下げることができるようカスタムされている。

また、車体の背後には、存在感のあるマフラーが4本。ジェットシティがデザインし、今回特別に作ったものだという。「マフラーが多い方が速そうに見えるかなと思ってデザインしました(笑)。配管の部分は、溶接の跡をわざとみせて技術の高さをみせる〈エビ管〉というやり方を、あえてしています。うちはマフラー回りの見せ方は得意なので、こだわってやっています。」

 

マスタングを所有するオーナーの小幡和樹さんも、「想像以上の仕上がりでびっくりしています。自分の車がイベントに出るというのは夢のような話。SEMAショーで注目を浴びるのが楽しみです。」と期待を膨らませる。

 

来年のSEMAショーに向け、さらなるグレードアップを予定しているというマスタング。「日本人でもアメ車をここまでカスタムできるということを、アメリカでしっかりアピールしていきたいですね。」来年の出展へ向けて、萩原社長の挑戦は続く。

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