瀬戸内に行くなら訪れたい絶景スポット14選
瀬戸内は、シルクロードの名付け親でもあるリヒトホーフェンやシーボルトをはじめ、幕末に来日した多くの地理学者たちが、「世界一美しい」と絶賛した魅力溢れる地域です。「多島美」と言われる、瀬戸内海の島々が作り出す美しい景観は、『東洋のエーゲ海』とも例えられる大きな特徴の1つ。以外にも、穏やかな海や温暖な気候によって育まれた、美しい瀬戸内の景色たちは、未来に残していきたい私たちの宝のひとつです。
安芸灘とびしま海道(広島県・愛媛県)
下蒲刈島(しもかまがりじま)
大崎下島 御手洗町並み保存地区
ドライブはもちろん、サイクリングコースとしても人気の絶景スポット『安芸灘とびしま海道』。広島県・呉市を起点に、「下蒲刈島」「上蒲刈島」「豊島」「大崎下島」「岡村島」の5つの島が、7つの橋で繋がれている連絡架橋ルートです。瀬戸内海に浮かぶ島々が、あたかも庭園をわたる飛石(とびいし)のように見えることから名付けられました。
本州・呉市と下蒲刈島を結ぶ安芸灘大橋のみ有料ですが、5つの島を結ぶ他の橋はすべて無料。安芸灘大橋から、5つ目の島・岡村島までの約30kmのルートはサイクリングロードとして整備されており、島らしい穏やかな風景を眺めながら瀬戸内サイクリングが楽しめます。
安芸灘とびしま街道
http://www.tobishima-kaido.net
音戸の瀬戸(広島県呉市)
音戸の瀬戸を走る『SEA PASEO』
「音戸の瀬戸」とは、広島県呉市と、対岸の倉橋島にある海峡のこと。その昔は地続きだったと伝えられており、「平清盛が夕日を招き返して一日で切り開いた」という伝説のある名勝地です。3月下旬から4月上旬は約2,300本の桜、4月下旬から5月初旬は約8,300本の紅白のツツジが咲き乱れ、真紅の「音戸大橋」とマッチした景観が楽しめます。
音戸にはかつて“日本一短い定期航路”と呼ばれた渡し船「音戸渡船」がありましたが、残念ながら令和3年10月末をもって廃止に。時刻表も無く、ひとりでもお客さんがいれば乗せてくれたという、人情あふれる渡し舟でした。
呉市側にある『音戸の瀬戸公園』では、音戸大橋と第二音戸大橋の2つの橋を同時に眺めることができます。
『SEA PASEO(シーパセオ)』や『SEA SPICA(シースピカ)』などの観光型フェリー/クルーザーに乗って、音戸の瀬戸を海上観光するのも素敵ですよ!
積善山(愛媛県 岩城島)
愛媛県越智郡上島町の岩城島にある積善山(せきぜんさん)。島のほぼ中央にある標高369.8mの山で、「岩城富士」とも呼ばれます。
山頂にある展望台からは、芸予諸島の多島美を一望できます。4月上旬の開花期には3,000本の桜並木が広がり、「天女の羽衣」と呼ばれる桜の名所。全国からの花見客でにぎわいます。
しまなみ海道・大島 亀老山(愛媛県今治市)
しまなみ海道・大島の南端に位置する亀老山(きろうさん)。頂上の展望公園からは、天気がよければ西日本最高峰の石鎚山まで見ることができます。瀬戸内海をぐるっと見渡せるパノラマ展望台は、隈研吾氏による設計によるもの。そこから望む絶景はもちろん、亀老山の自然と調和した建築そのものも見ものです。
海に沈む夕日やライトアップされた来島海峡大橋を望むこともでき、時間を問わず景観を楽しめます。
王子が岳(岡山県玉野市)
にこにこ岩
花崗岩の山肌に巨石や奇岩が今にも落ちかかろうとする独特の山容をもつ、標高234.5mの王子が岳。穏やかな瀬戸内海や瀬戸大橋、四国の山々が一望できる景勝地。山頂付近にはパラグライダーのフライトエリアがあります。
山頂近くにはユニークな形をした花崗岩の奇岩・巨岩が点在しており、自然が造り出した芸術作品を鑑賞しながら辺りを散策できます。中でも有名なのは、老師が微笑んでいるようにも見える「にこにこ岩」。
王子が岳は、山頂近くまで車道が通り、比較的アクセスは容易です。広い駐車場も整備されていて、そこから徒歩5分ぐらいで王子が岳パークセンターに到着。そこから徒歩15分ほどで「にこにこ岩」まで辿り着けます。他にも「おじさん岩」や「ひつじ岩」など、変わった形の岩がたくさん。冒険気分で出掛けてみましょう。
牛窓(岡山県 瀬戸内市)
牛窓ヨットハーバー牛窓オリーブ園
牛窓オリーブ園 幸福の鐘
「日本のエーゲ海」と呼ばれる、岡山県瀬戸内市の牛窓(うしまど)町。古くから西国航路の風待ち、潮待ちの港として、また、江戸時代には参勤交代や朝鮮通信使の寄港地として栄えました。
海沿いにはホテルやペンションが建ち並び、ヨットハーバーやマリンスポーツの基地となっています。西日本最大級のヨットハーバーは圧巻。
またオリーブの生産が盛んな牛窓の代表的なスポット『牛窓オリーブ園』からの景色が絶景!約2,000本のオリーブの樹々の向こうに見える青い瀬戸内海にうっとり。園内にある「幸福の鐘」は人気の撮影スポットで、デートの目的地にもぴったり。「恋人の聖地」にも認定されている牛窓で、幸せの音色を響かせましょう。
焼野海岸(山口県山陽小野田市)
レストラン『Sol Poniente(ソル・ポニエンテ)』
「日本の夕陽百選」にも選ばれた夕陽の美しい海岸。海水浴はもちろん、バーベキューやマリンスポーツも楽しめるビーチです。浜辺にはフェニックスの木が植えられ、リゾート地のような雰囲気も漂います。海岸沿いにある『きらら交流館』は、トロン温泉の日帰り入浴もOK。
また、焼野海岸の名所がスペインレストラン『Sol Poniente(ソル・ポニエンテ)』。建築家・隈研吾氏の隠れた名作である建物の名前は『海 / フィルター』。ガラス張りの窓から美しい景色を眺めることができます。昼間の青い海から、黄金に染まる夕陽、そしてトワイライト。贅沢なひと時を過ごせることは間違いありません。
秋吉台(山口県美祢市)
日本最大のカルスト台地『秋吉台』(あきよしだい)。東西17キロ、南北8キロというこの日本最大のカルスト台地は、もともとサンゴ礁の海だったそう。それから約3億5千年という長い年月を経て今の姿に辿り着いたといいます。景色をぼーっと眺めるだけでも癒やされますが、トレッキング&サイクリングコースやジオパークセンターもあり、アクティブに過ごすこともできます。
散策コースにはいくつものクイズが設置されています。あちこちにサンゴや貝殻が蓄積してできた石灰岩が散らばっているため、お見逃しなきよう!
台地の地下には雨水によって侵食された鍾乳洞が多数散在しています。地球の力強さを体感しに出掛けましょう。
川尻岬(山口県長門市)
断崖に囲まれた秘境の岬、『川尻岬(かわじりみさき)』。本州の西北端に位置する岬で、日本海特有の荒々しい断崖絶壁が連なるダイナミックな景色が見られます。岬は細長い半島状の地形で、尾根伝いに遊歩道が整備されていて、雄大な景色を見ながら岬の先端まで歩いて行くことも可能。
岬から望む朝日や夕陽も美しく、また磯釣りのスポットとしても有名で、週末には多くの釣り人で賑わいます。
灘黒岩水仙郷(兵庫県南あわじ市)
灘黒岩水仙郷(なだくろいわすいせんきょう)は、淡路島の南部にあるスイセンの一大自生地。海に面した急傾斜に、500万本もの野生のスイセンが自生しており、『日本三大群生地』の一つに数えられます。
灘黒岩水仙郷の魅力は海を眺めながらスイセンの群生地を散策できること!冬の風物詩の一つとしても知られる、灘黒岩水仙郷。可憐な香りが漂う中、スイセンと大海原の絶景散策を楽しんで。
明石海峡大橋(兵庫県神戸市・淡路市)
兵庫県の神戸市と淡路市を結ぶ全長3,911メートルの橋『明石海峡大橋』。
どこから見ても美しい橋ですが、特におすすめなのは『舞子公園』。年間を通して明石海峡大橋と夕陽を眺められる場所ですが、秋から冬にかけてが特にオススメ。雲がなければ水平線に沈む夕陽が見られます。
海面約300メートルからの絶景を眺められる完全予約制ツアー『明石海峡大橋ブリッジワールド』も大人気!大の大人も足がすくむ大冒険はいかが?
砥峰高原(兵庫県神崎郡神河町)
兵庫県の中央部に位置する『砥峰(とのみね)高原』。西日本有数の約90haに及ぶススキの大草原が広がる高原です。大河ドラマ・映画などのロケ地として有名ですね。
砥峰高原は標高800~900m地点に分布する高山植物の宝庫で、湿原が踏み荒らされないように木道が整備されています。こんな木道を歩くのが憧れ!という人もいるのでは?
ススキが見頃を迎える毎年10月には「ススキまつり」が行われています(要確認)。秋のススキで有名ですが、みずみずしいグリーンカーペットが一面に広がる夏もおすすめ!手頃なハイキングコースは約3km。のんびり歩いて癒やされましょう。
大歩危・小歩危(徳島県三好市・吉野川市)
珍地名としても知られる、徳島県「大歩危・小歩危(おおぼけ・こぼけ)」。四国の大地を横切る吉野川の中流域にある渓谷で、約8kmに渡って断崖が続きます
それはまるで大理石の彫刻がずらりと並んでいるようなダイナミックさ!神秘的なブルーの水景とあいまって、ひと目見れば忘れられないほどの美しさです。
その渓谷美を間近で感じるには、大歩危峡観光遊覧船に乗るのがベスト。四季折々の景色を楽しめますが、言わずもがな、紅葉シーズンは特に大人気。何度も行きたくなりますね。
雲辺寺山頂公園(香川県観音寺市)
香川県の映えスポットとして近年大人気の『雲辺寺山頂公園』。広々とした芝生にはテーブルやイスが設置されており、お弁当持参でピクニックを楽しむなど、自由に過ごすことができます。
雲辺寺山は紫陽花や紅葉狩りスポットとしても人気で、紅葉の時期には一日最多2,000人ほどの来園者が訪れるのだとか。眼下に広がるのは観音寺市とそのお隣の三豊(みとよ)市。晴れた日はいりこの産地として有名な伊吹島(いぶきじま)や荘内半島(しょうないはんとう)、銭形砂絵まで見えます。
SNSで人気爆発した理由のひとつが、山頂に設置された『天空のブランコ』。芝生の斜面に立てられているため目の前を遮るものが何もなく、絶景、爽快感とほんの少しのスリルが味わえることで話題に。お気に入りの服を着て出掛けたくなりますね!
▼記事提供元
「瀬戸内Finder(ファインダー)」は、瀬戸内を共有する7県(兵庫県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県)の魅力を世界に発信しています。