“矢崎の22球”で一気に話題!カープ新・8回の男として飛躍する矢崎拓也

「8回の男?僕にはまだ重いというか、まだそこに見合っているわけじゃないと思うが、勝ちゲームに投げさせてもらえるのは、選手としてすごくありがたいこと」と話すのは、プロ6年目の矢崎拓也投手。広島ホームテレビ『ひろしま深掘りライブ フロントドア』は、カープの新・8回の男の呼び声が高い矢崎投手をフカボリ。飛躍を遂げる要因に迫る。

※データはすべて9月10日O.A.時現在 ※以下、(選手)敬称略

フロントドア 矢崎拓也投手

150キロを超える力強いストレートに、強心臓。魔の8回と呼ばれ、絶対的守護神・栗林良吏の前を固定できなかった今シーズン、新・8回の男定着へ日々結果を出している矢崎。開幕一軍を勝ち取ると、3月29日の阪神戦でルーキーイヤー以来の勝ち星となる2勝目。5月15日のヤクルト戦でプロ初ホールド。6月26日のDeNA戦ではプロ初セーブを上げるなど、首脳陣の信頼をつかんできた。

フロントドア

輝きを取り戻した2016年のドラフト1位投手。大切にしているのは“受け入れること”。「投げる場面でいろんな出来事が起こるが、去年までは切り替えなきゃ、切り替えなきゃと思って過ごした。今年は切り替える一個前の段階で、その出来事を受け入れるということを加えたことで、目の前の一球に集中できるようになった」と言う。

“受け入れること”は課題であったコントロールにも影響している。「コントロールは今も良い方ではないが、フォアボールを出しても、ヒットを打たれても、次に向かって行くしかないと投げる前に覚悟を決めて投げることが結果的に(フォアボールが)減っている要因かなと思う」と明かす。

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メンタル面の改善で進化を遂げる矢崎だが、矢崎と言えば150キロを超えるストレートと落差のあるフォークで三振を奪うのが魅力。今シーズンも高い奪三振率を誇る。「前に飛ばされてしまうとランナーが進塁してしまう。なるべく塁に進ませずにアウトを取るというのは大事な能力だと思うので、三振が取れているのは良いと思う」と話し、「あまり固執しているわけではないが」と付け加える。

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充実したシーズンを送る矢崎だが、ファンの間で話題となった試合が8月28日の巨人戦。新型コロナ感染から復帰して最初の試合、2点リードで迎えた8回に登場するも、ヒットとフォアボールでノーアウト満塁のピンチを招く。「療養明けですぐに勝ちゲームで使っていただいて、すごくありがたいという気持ちでマウンドに上がって、ノーアウト満塁になった時は正直、この仕打ちはないなと思った。しかし腹をくくってフォアボールを恐れずに腕を振ろうと思った」と振り返る。

その言葉通り、フォークで三振を奪い1アウト。その後2アウトまでこぎつけると、最後のバッターを三振に打ち取り、無失点に抑えた。このピッチングが“矢崎の22球”と話題となり、ファンの記憶に残るピッチングとなった。

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「何とかチームの勝利に貢献できるように、自分に与えられた場面で全力を尽くしたいなと思うが、一戦一戦やっていくことが結果につながると思うので、自分にできることを淡々と全力でやっていきたい」と締めくくる。

ちなみに矢崎登板時の登場曲は、広島出身の矢沢永吉氏の曲『止まらないHa~Ha』。矢崎は「矢沢永吉さんが純粋にカッコイイなと思って使っていて、ライブにも行ったことがある。あの曲でファンがタオルを投げているのを見て、将来的に出てきた時に、みんながタオルを投げてもらえるくらいがんばりたいなと思っている」と、選曲のワケを語った。

 

広島ホームテレビ『ひろしま深掘りライブ フロントドア』(土曜13:00) 9月10日放送

ライター 湯谷葉子

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