広電社長にロザンが直撃!創業110周年 広島電鉄を”ろざんぽ”前編
2022年8月27日の『ひろしま深掘りライブ フロントドア』では、『5up!』との合同企画第2弾「ろざんぽしながら、おじゃましますぅ」が放送されました。ロザンの2人が街中にある、普段見過ごしてしまいがちなものを再発見するフロントドアの「ろざんぽ」と、小嶋 沙耶香アナウンサーが気になるお店を突撃する5up!の「おじゃましますぅ」が合体した大人の社会科見学企画。久しぶりのロケです!
今回は、創業110周年の広島電鉄本社をろざんぽ!意外と知らない広島電鉄の雑学がいっぱいです。
まずは広島電鉄本社を訪れる前に、「ろざんぽ」お決まりの宇治原さんによる雑学・うんちく披露。路面電車の日として定められている6月10日の由来を教えてくれました。これは1995年に広島市で開催された「第2回路面電車サミット」で制定されたのだそう。
さて、本通駅電停から路面電車で広電本社へ向かった3人。なんとこの日の企画のための貸し切り車両です。乗車するのは2013年から運行している1000形グリーンムーバーLEX。バリアフリーな超低床車両なのが特長です。5up!「おじゃましますぅ」のルールに従って、乗り込む前には「おじゃましますぅ」のあいさつとともに乗車しました。
案内してくれるのは、広島電鉄広報・ブランド戦略室の石橋美祐さん。
広島電鉄の路面電車は一般の人でも約18,240円(※区間や行程・車両の種類により異なる)で貸し切ることができると聞いて、その金額の安さには宇治原さんもびっくり。
その間に、路面電車は広電本社前に到着しました。今年110周年を迎える広島電鉄は、路面電車の乗客数では日本一を誇ります。3人は石橋さんに案内されながら、まず本社ビル横にある電車事業本部をろざんぽ。
一同が気になったのは、営業課にある「点呼場」という看板。乗務員は出勤する度にこちらで点呼を行っています。
この日の点呼場担当・西岡さんに点呼の概要を教えてもらい、3人も出勤点呼を実際にやってみました。まず出勤点呼前のアルコールチェックは全員クリアし、いざ出勤点呼!
チェックが終わったら、毎日変わる決意表明を全員で唱和します。
営業課での広電クイズ「運転士が乗務する時かばんに入れているものは何?」に菅さんは最初ボケつつも、真面目に当てにいって見事正解!
万が一の事故に備え、運転士は常にチョークを持ち歩いています。事故が起こった際にはチョークで現場状況を保存するのだそう。欠かせない必需品です。
続いて向かったのは、千田車庫。広島電鉄の市内線を走る車両が所属していて、ここでは車両の日常検査なども行われています。
「歴代の仮面ライダー」と例える菅さんの言葉どおり、並ぶ車両は色やデザインが多種多様です。
1900形の車両はかつて京都を走っていた車両。「西陣」「鞍馬」「かも川」など、すべて京都にちなんだ愛称がついています。普段街中で目にするなじみ深い車両ですが、こんな愛称があったんですね。
他にも、広島電鉄には現在26種類の車両が在籍していて、京都以外にも国内外の都市から移籍してきた貴重な車両がいくつもあるそう。鉄道ファンにはたまらない、博物館のような場所です。
続いては、広島の路面電車を語るうえで外すことはできない被爆電車。この車両は昭和20年8月6日、爆心地から約1㎞の中電前辺りで被爆しました。大きく損傷したものの、半年で復旧してなんと現在も走り続けています。
車両の多くが被災したうえ、事務所や工場も大打撃を受けました。そんな中、被爆からわずか3日後に復旧して運行した被爆電車は、「広島復興のシンボル」と呼ばれています。今もなお現役の被爆電車を、菅さんは「動く語り部」と表現。石橋さんは、「電車が運行できなかった3日間を思うと、今被爆電車が日々運行できることが平和の象徴で、メッセージを発信する存在になっている」と語ってくれました。
ここでまた小嶋アナの広電クイズ。
「ちょっと違和感を感じませんか?」という小嶋アナに、ピンときた宇治原さんが回答。
「レール」で大正解です!
気を良くした宇治原さんは、神戸にある神戸市立王子動物園のゾウの檻は電車のレールで出来ているという、新たな雑学も披露してくれました。
最後に向かったのは、本社10階にある役員フロアです。ふかふかのじゅうたんと絵画に彩られた廊下を進み、椋田昌夫代表取締役社長とご対面。
散歩が好きで、たまに社員に内緒で路面電車に乗るのが好きだという椋田社長にうかがったのは、「PASPY廃止」「運賃改定」「新乗車券システム」など、路面電車の利用者が気になるニュースの真相について。
鉄道業界のコロナの問題を尋ねる宇治原さんに、椋田社長は「非常に厳しい3年だった」と語ります。
売上高、営業利益ともにコロナ禍の2020年度、2021年度は下がっており、2021年度は少し復調したとはいえ、厳しい状況がまだ続いています。広島はインバウンド需要が高い都市でしたが、コロナによりそれがゼロに。しかし椋田社長は、コロナが考え方を変えるいいきっかけになったといいます。
もともと人口減少や地方の少子高齢化・ITの発達により地方の公共交通の乗客は減る傾向と推測していて、コロナでそれが少し早まっただけ。今後コロナが収束したとしても、単独で生き残るのは難しいと予想されています。
今後は自治体や利用客とともに新しい制度を作っていく必要があるという椋田社長。ライバル企業とは競争するのが当たり前の時代でしたが、これからは「競合」ではなく「共生」が新しい公共交通の生き方だといいます。
現在広島電鉄が推進しているのは、現在のPASPYに代わる新乗車券システム。2024年の導入を目指しています。気になる椋田社長の思いは、来週じっくりとお伝えします。
広島ホームテレビ
『ひろしま深掘りライブ フロントドア』(土曜13:00)8月27日放送
広電社長にロザンが直撃!創業110周年 広島電鉄を”ろざんぽ”
ライター 東滋実