90歳で作家デビュー 語り始めた被爆体験「庭でいとこを焼いた…」

廿日市市に暮らす田中祐子さん(92)。
夫を亡くして以来、長年一人暮らしを続けていますが、ネイルサロンに通ったり、スマートフォンを使いこなしたりと90歳を超えても、なお多趣味です。

田中さんは16歳の時、爆心地から約1.8kmの平野町で被爆。
現在のライフワークは「被爆体験を伝えること」と語ります。

「ものすごくピカーっと光って、(家から)出たら広島の街がぺしゃんこにみな潰れてて・・・」

記憶をたどるようにポツポツと語る田中さん。
原爆で失ったいとこの記憶は、今も消えることはありません。

「うちの庭でいとこを焼いた。ビクンビクン動いていた。人を殺したんじゃないかと思うと、75年経つけどまだ夢に見る。」

田中さんが被爆体験を語り始めたのは、今から約20年前。
きっかけは、パーキンソン病と診断され、余命は早くて5年と告げられたことでした。

「この原爆のつらかったことを世界中の人に伝えていかなくちゃ。」

精力的に活動を続ける田中さんは、90歳で作家デビュー。
「伝えることは使命」と、前を向きます。

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2021年9月21日放送
※掲載された情報は、取材当時のものです。予めご了承ください。

 

放送は約1年前ですが、平和への思いの高まりからか最近視聴数が大きく伸びていたのでご紹介しました。

語り継ぎ、伝えていかなければならない記憶です。

ひろしまリード編集部

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