勝負の年につかんだ支配下登録 カープ持丸泰輝が描く未来の姿

「正捕手になりたい気持ちは持っている」と頼もしく話すのは、高卒3年目の持丸泰輝(もちまる たいき)選手。広島ホームテレビ『ひろしま深掘りライブ フロントドア』は、6月18日に育成から支配下登録され、その5日後にスタメンマスクを任された持丸選手をフカボリ。目指す将来や契約時の裏話を聞いた。

※データはすべて6月25日O.A.時現在 ※以下、(選手)敬称略

持丸泰輝(もちまる たいき)選手 持丸泰輝(もちまる たいき)選手

2019年、育成ドラフト1位でカープに入団した持丸。3年目の今シーズンは春季キャンプから一軍に帯同。3月3日のオープン戦でもHRを放つなどアピールを続け、6月18日に支配下登録を勝ち取った。「やっとプロ野球選手という土俵に立てたかなという感じはすごくあった」と振り返る。

その支配下登録から4日後の阪神戦で初打席を迎えた。8回ウラに代打で出場。4球目に大きなファールでスタンドから拍手がおこるも、結果は三振。しかし確実に一歩を踏み出した。翌日の6月23日にはスタメンマスクを任される。ミスはあっても、持丸の表情は落ち着いているように見えた。

6月18日、支配下登録の契約にはウラ話がある。「前日にマツスタで(二軍の)試合があったが、その練習の途中で呼ばれて“お前トレードだ“って言われて。“ん?何の話?“と思ったが、その後に“明日支配下登録するから“と言われた」と微笑む。驚きの気持ちと、安堵と嬉しさもあったと明かす。プロ野球の育成契約は、再契約もあり得るが、3年間が最長期限。さらに支配下登録の期限は7月31日までと、高卒3年目の持丸にとってがギリギリの登録となった。

より野球と向き合うことになった今シーズン。印象に残る言葉をくれた人物が二人いる。一人目は、春季キャンプ、オープン戦と一軍で指導を受けた倉義和バッテリーコーチ。「自分の意図したサインを出しなさい。配球しなさい。一球一球に自分の考えを持って、ピッチャーと意思疎通できるようにやりなさい、と言われた。ベンチに帰っても、しっかりピッチャーと会話して次のイニングに繋げなさい、とも言われた」と話す。

その言葉を守り、3月5日のオープン戦では、バッテリーを組んだエース・大瀬良大地とイニングの間に会話を重ねた持丸。さまざまなアドバイスを受ける中で「簡単に抑えるところは簡単に。緊迫した場面でも冷静に」と教わったという。

一つ一つの学びを大切にしながら成長する持丸。育成から球界を代表するキャッチャーとなったソフトバンクの甲斐拓也のような選手へ夢を膨らませたくなる。「甲斐選手は育成から這い上がって、かなり努力されたと思うので、見習うというか背中を追って野球をやって行きたい。すぐに正捕手というのは難しいと思うので、あまり先を見すぎず、しっかり今できることを精一杯やりたいと思う」と、締めくくった。

 

広島ホームテレビ『ひろしま深掘りライブ フロントドア』(土曜13:00) 6月25日放送

ライター 湯谷葉子

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