『8回の男』襲名へ カープ森浦大輔投手は得意なチェンジアップで上を目指す

カープは絶対的守護神・栗林良吏(りょうじ)投手に繋いでいく8回に難がある。イニング別失点も44と最多で、ファンの間で『魔の8回』と言われる所以だ。そんな中継ぎ陣の中で、8回を数多く投げ、良い働きを見せているのが栗林投手と同期の森浦大輔投手。

広島ホームテレビ『ひろしま深掘りライブ フロントドア』では、“8回の男”と異名を持つ森浦投手をフカボリ。24歳を迎えた6月15日の誕生日に話を聞いた。
※データはすべて6月18日O.A.時現在 ※以下、(選手)敬称略

森浦大輔投手 森浦大輔投手

新人王を獲得した栗林に次ぐドラフト2位で2020年、カープに入団。貴重な中継ぎ左腕として、1年目からチーム最多となる54試合に登板。ホールド数は、球団新人記録の7を大きく上回る17。まさにフル回転の活躍を見せた。森浦は「悪い試合もあったが、そこで切り替えて次の試合に挑めていたのが良かったのかなと思う」と振り返る。

迎えた今シーズンは、キャンプこそ一軍で完走も、オープン戦では思うような結果を残すことができず、開幕二軍スタート。「ストレートのキレも悪く、コントロールも甘いところに行っていたのが原因だと思う。左バッターにも多く対戦させてもらい、苦手だった左バッターへのインコースを投げながら練習したおかげで球のキレも少しずつ戻ってきた」と明かす。

森浦大輔投手

開幕からおよそ1ヶ月後の4月22日に一軍登録。プロ2年目をスタートさせるとチームの弱点との言われる“8回の男”として期待される存在になった。今シーズンの森浦を支えているのがチェンジアップ。投球割合を見てみると、ストレート(40.2%)よりもチェンジアップ(45.2%)が上回っている。それは「決め球でもカウント球でも使っているから」と言う。

そのチェンジアップ習得のルーツをたどると、行き着くのが大学時代。ドラフト指名を受けた直後のインタビューでは「得意なチェンジアップは2019年の冬くらいから練習をして、春先から使えるようにやってきた」と答えていた。プロ入り後、さらに磨き上げたチェンジアップでチームからの信頼を勝ち取った。

今シーズンから一軍投手コーチとしてカープへ復帰した高橋建コーチは、「マウンドでは相手に負けないという強い気持ちが感じられる。全身でパフォーマンスしている」と森浦を頼もしく見る。チェンジアップ、ストレート、カープの3つの球種で勝負することについて、「ベンチの横から見ている限り、相手が嫌な球を投げているというのがわかるほど、ストレートと変化球のコンビネーションで奥行きをうまく使っている。3球種で十分戦えると思っている」と太鼓判。

森浦には「向上心があるので、将来は(最多登板や通算セーブ数記録を持つ)元中日の岩瀬仁紀(ひとき)氏くらい投げられるようになって欲しい」と願う高橋コーチ。“8回の男”のさらなる伸び代に期待が高まる。

広島ホームテレビ『ひろしま深掘りライブ フロントドア』(土曜13:00) 6月18日放送
ライター 湯谷葉子

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