地元のガイドと秘境を巡る 電動自転車でホタルツアー|地球派宣言
初夏の風物詩、ホタル。広島市佐伯区湯来町では、新たな観光の目玉にしようと、ちょっと変わったツアーが企画されています。
この時期、湯来町にはホタルを目当てに大勢の人が訪れます。保護活動などは行っていませんが、ピーク時には川いっぱいのホタルを見ることができます。
感動の瞬間は、日没から30分後に訪れます。
川の上を飛ぶホタル(写真提供:湯来観光地域づくり公社)湯来観光地域づくり公社 佐藤亮太(さとう・りょうた)理事長は「美しい清流をみんなで守っていくことに力を入れている。人の手を入れると自然の繁殖力が弱まるとも聞くので、いかにこの美しい川を守っていくかが大事だと考えている。」と言います。
湯来観光地域づくり公社の佐藤理事長体が小さく動きが速いのがオスで、大きくてあまり動かないのがメスです。おなかの先から光を出し、相手とコンタクトをとっているそうです。
佐藤理事長によれば、湯来町ではゲンジボタルとヘイケボタルだけでなく、ヒメボタルも見ることができる全国的にも珍しい場所だそう。
「美しい自然環境の象徴だと思うので守っていかないといけない存在と思っている。」と話します。
ゲンジボタルのオス(右)とメス(左)そんなホタルをさらに楽しんでもらおうと、地元のNPO法人が去年から始めたのが電動アシスト自転車を使って、地元の人しか知らないような秘境をめぐるホタルツアーです。
ツアーに出発するガイドの五十嵐優太さん佐藤理事長は「夜の暗い時間に車では行けないような所を自転車で案内することで、本当にホタルだけを見られるようなツアーになっている。」とその魅力を語ります。
電動自転車で夜道を走る様子この日、案内してもらったのは自転車でおよそ20分走った街灯のない場所。
ガイドの五十嵐優太さんは「こういった道の横、何でもないところですが、時期によっては200匹ぐらいいて、Xmasツリーが全体にあるようなイメージ」と話します。
ホタルが舞う様子(提供:湯来観光地域づくり公社)新たなツアーを始めた背景には湯来町の現状があります。かつての温泉街は衰退し、少子高齢化が進んでいます。毎年大勢の人が訪れていた恒例のホタル祭りも新型コロナの影響などで中止されました。
閑散とした湯来温泉佐藤理事長は「夜、お客さんに来てもらって、宿泊してもらえると、経済効果にもつながっていくので、今後夜のツアーとして定着させていきながら、たくさんの人に湯来町の夜の魅力も含めて伝えていけたら。」とこのツアーの狙いを説明します。
自然と共存しながら湯来町の魅力を最大限行かす取り組み。まだまだ続きそうです。
葉っぱの上のゲンジボタル