カープ マクブルーム選手 来日1年目から見せる高い対応力の秘密「形にとらわれない」

「とにかく一日一日を新しい日と捉え、勝った日も負けた日の次の日も新しい気持ちで、自分たちの野球を楽しみながら戦っていく。そういう気持ちでシーズンを乗り越えていけば、自ずと良い結果が出ると思っている」。そう語るのはカープの4番に定着するライアン・マクブルーム(以下、R.マクブルーム)選手。

広島ホームテレビ『ひろしま深掘りライブ フロントドア』は、今シーズン加入の新外国人R.マクブルーム選手をフカボリ。来日1年目からの活躍の裏にあるのは高い“対応力”。その秘密に迫る。
※データはすべて5月28日O.A.時現在 ※以下、(選手)敬称略

ライアン・マクブルーム選手 ライアン・マクブルーム選手

アメリカ出身で、メジャーリーグでもプレーしてきたR.マクブルーム・30歳。舞台を日本・広島に移し、日に日に存在感を増している。新型コロナによる入国制限の影響で来日が遅れたものの開幕4試合目、3月29日のホーム開幕戦で初めて一軍に登録されると、4打席目に来日初ヒットを放ち、いきなり結果でこたえた。以降、出場試合はすべて4番を任され、下馬票を覆すチームの快進撃を支えてきた。

5月20日の中日戦では、自身初という満塁HRも飛び出した。ここまで放ったHR数はチームトップの6本。カープはそのすべての試合で勝利を飾ってきた。“R.マクブルームがHRを打てば負けない”。そんな不敗神話さえ生まれようとしている。

ここまでチームトップ6本のHRを放っている ここまでチームトップ6本のHRを放っている

量産体制に入ってきた長打力もさることながら、R.マクブルームの最大の武器は“対応力”。それは3月17日の入団会見で自身も「対応力が自分の強み」と語っている。初めての対戦となる投手がほとんどの中、29試合連続出塁(4月13日〜5月21日)という結果でその力を証明してみせた。

その対応力はどのように養われるのか? その秘密を聞いた。一つは『全体練習前のルーティン』。「単純なルーティンだが、全体練習前に必ずウエイト場に行き、まずは下半身をどっしりさせる運動をする。その後は速さ対策で、とにかく速いボールをマシン相手に片手で打ったり、バランスを考えて打ったりする」と、ルーティンで試合に備えることをあげた。

『全体練習前のルーティン』がポイント 『全体練習前のルーティン』がポイント

もう一つは、打席の中で発揮される『形にとらわれない柔軟なバッティング』。「投手との一対一の対戦。投手も打者のタイミングを外そうとクイックやいろんな足の上げ方で投げてくる。自分も対応しようと脚を上げてみたり、上げてみなかったり。その投手の投げるタイミングやモーションを見ながら、自分の中でいろいろ変えて対応している」と明かす。

『形にとらわれない柔軟なバッティング』を心掛ける 『形にとらわれない柔軟なバッティング』を心掛ける

H Rの打席を振り返ってみると、さまざまなバッティングの形が見えてくる。左足の上げ方、打つ前のスタンス。「毎打席変えていると思うが、実はそこまでああしよう、こうしようと考えてはおらず、自然にやっている事。自分の感覚を大事にしている」と話す。

対応力を武器にカープを勝利に導くR.マクブルーム。「とにかく楽しみながら、結果は自分でコントロールできないが、競争心と闘争心を強く持ち、毎日試合に挑んでいる」と目を輝かせる。

広島ホームテレビ『ひろしま深掘りライブ フロントドア』(土曜13:00) 5月28日放送
ライター 湯谷葉子

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