【カープ道】坂倉将吾選手 恩師 日大三高・小倉監督が語る原点

開幕から粘り強い戦いで絶好調のカープ。そんなチームで打線の中軸を担い、勝負強さを発揮。ヒットを量産しているのが坂倉将吾選手。そこで今回の広島ホームテレビ『カープ道』は、坂倉選手を一流に育てた恩師が番組初登場。知られざる姿を徹底解剖する。

坂倉将吾選手 坂倉将吾選手

その恩師とは、日本大学第三高等学校(以下、日大三高)硬式野球部の小倉全由(おぐら まさよし)監督。春夏合わせて37回甲子園に出場する強豪校を、2度の全国制覇に導いたのが名将・小倉監督だ。「坂倉選手の良いところを知ってもらえるなら」と教え子を思う監督の親心から番組出演を快諾いただいた。

日大三高硬式野球部 小倉全由監督 日大三高硬式野球部 小倉全由監督

坂倉選手は2016年、ドラフト4位でカープに入団。強肩強打のキャッチャーとして注目を集め、首脳陣の期待を背負って高卒ルーキーながら1年目の秋に代打で一軍デビュー。初打席はレフトフライに終わり、プロの厳しさを知った。しかし5年目となる去年、自己最多の132試合に出場し、初めて規定打席に到達。持ち前の打撃センスでリーグ2位の打率.315を残した。

「プロに入ってからも、バットスイングの構えが変わらない」 「プロに入ってからも、バットスイングの構えが変わらない」

まずは坂倉選手が飛躍した去年の【打撃覚醒のワケ】を恩師・小倉監督と紐解く。「日大三高では1年からクリーンナップを打つほどバッティングには素晴らしいものを持っている。プロに入ってからも、バットスイングの構えが変わらない」と大絶賛。また「いいスイングを作る練習をしているのではないか。どれだけバットを振っているかを聞くと、さすがプロのレベルの選手だなと感心する」とも。打撃覚醒は、練習で培った努力から生み出されていた。また「プロは厳しい世界なので、去年良かったから今年も良いとは限らない。相手以上に研究して結果を残してもらいたい」と激励した。

続いては、小倉監督が我が子のように見守る坂倉選手。その絆はいつ育まれたのか? 【絆深まる合宿所生活】を探る。「坂倉選手は八千代中央リトルシニアにいた中学校の頃からいい選手だと評判だった。なので、うちの野球部に入ってくれて嬉しかった。聞けば、日大三高の雰囲気が良く、小倉の下で野球をやりたいと思ってくれていたらしい」と目を細める。「高校の後はどうするつもりかを聞くと、自分はプロに行きたいとはっきり答えた」と振り返る。

「高校の後はどうするつもりかを聞くと、自分はプロに行きたいとはっきり答えた」と振り返る 「高校の後はどうするつもりかを聞くと、自分はプロに行きたいとはっきり答えた」と振り返る

恩師と出会った頃からプロを目指していた坂倉選手。「1年の時には、上にいいキャッチャーがいたので、坂倉選手には三年生が抜けてからマスクを被ってもらえばいいと思って、1年の秋から外野で出場。外野も無難にこなしていた」という。また「チームの中では副キャプテン。冷静にチーム全体を見て、時には勝つために厳しく意見を言う。キャッチャーから各ポジションを見て的確な指示を出し、気が抜けている選手がいたら厳しく指摘していた」と、チームメイトをリードする副キャプテンであったことを明かす。

「時には勝つために厳しく意見を言う。」 「時には勝つために厳しく意見を言う。」

さらに小倉監督は、「野球部には合宿所があり、自分も単身赴任で合宿所にいる」と、選手たちとは3年間一つ屋根の下で生活するという。合宿所内のミーティングルームや、今ではカープの試合をここで見ることの多い食堂、坂倉選手もいたという205号室、コミュニケーションを取るのに重要な脱衣場といった、思い出深い場所を写真で披露した。また合宿所にはプロに入った選手たちのユニフォームが飾られているが、「坂倉選手のは背番号61のまま。31になってまだ送ってもらっていない」と微笑む。

合宿所内の食堂 合宿所内の食堂

坂倉選手のプロへの道を開いたドラフト会議当日も、野球部の仲間が見守るこの合宿所でカープの指名を受けた。「カープは選手を育てる素晴らしいチーム。坂倉選手に合っていると思っていたので、指名してもらいよかった」と胸を撫で下ろした小倉監督。プロの道を歩む坂倉選手にかけた言葉は「がんばれ。自分のために目一杯やれ。3年間は遊ぶんじゃないぞ。練習のみ。練習は嘘をつかない。その努力は自分に返ってくる」。さらに「表裏のない男になれよ。人が見ていなくても一生懸命にやること」とエールをおくったという。

「練習は嘘をつかない。その努力は自分に返ってくる」 「練習は嘘をつかない。その努力は自分に返ってくる」

まだまだ飛び出す恩師だけが知る秘話は・・・次回に続く。

 

▼後編
カープ坂倉将吾選手の恩師 日大三高・小倉監督が教え子愛を大激白する後編

 

広島ホームテレビ『カープ道』(水曜深夜) 4月20日放送
ライター 湯谷葉子

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