首位カープにさらに追い風 野村・野間・アンダーソンらファームで躍動
4月11日現在、10勝4敗1分けでセリーグ首位の広島東洋カープ。その1軍の舞台を目指して2軍で懸命に汗を流す選手たちもいる。4月8日と9日には1軍の本拠地であるマツダスタジアムでウエスタンリーグの公式戦が開催。今シーズンから2軍戦も有観客となり多くの若鯉ファンが球場に足を運んだ。
まずは8日の試合。先発マウンドを託されたのは昨シーズンプロ入り後、初めて0勝に終わった野村祐輔。立ち上がりにいきなり連打を浴びピンチを背負うものの、3番板山をダブルプレーに打ち取り、4番井上からは三振を奪い無失点で立ち上がる。その後も持ち味の「打たせて取るピッチング」で、5回1失点。その1失点も味方の失策が絡んだものだった。「打たせて取ることが自分のピッチングスタイル。いつ1軍に呼ばれてもいいように頑張りたい」と今後の意気込みを語った。奇しくも4月8日は10年前にプロ初勝利を挙げた日。長いシーズン必ずベテランの力が必要になるときが来るはずだ。
そして野手に目を向けると今シーズンから野手キャプテンに就任した野間峻祥が3番センターでスタメン出場。第1打席、阪神の開幕投手候補でもあった青柳から先制点となる2ランホームラン。2日前の6日に登録抹消された悔しさを晴らす一発となった。
試合には敗れたものの、1軍で実績のある選手が実力を見せつけた試合となった。
ホームランを放った野間峻祥9日の先発投手は新外国人のアンダーソン。新型コロナウイルスの入国制限の影響で来日したのは先月末。この日が来日初登板となった。注目の初球。149キロのストレートでストライク。2球目もストレートで今度は151キロを計測。追い込んでからの勝負球もストレートで球速は152キロ。いきなり三振を奪った。圧巻だったのは2回と3回のピッチングだった。奪ったアウトはすべて三振。150キロオーバーのストレートにナックルカーブ、チェンジアップも冴えわたり阪神打線を手玉に取る。4回には3番小野寺に甘く入ったストレートをレフトスタンドに運ばれたものの、失点はこの1点だけ。6回76球を投げ被安打ははわずか2奪った三振は9つと衝撃の日本デビューとなった。
8回には同じく新外国人のターリーが3番手として登板。こちらも最速152キロを記録し、1回を三者凡退に抑え、マツダスタジアムでのデビュー戦を終えた。
マツダスタジアム初登板となったターリー打線でこの日一番光って見えたのが育成の二俣翔一。2アウト2塁3塁で迎えた第1打席でセンターへ2点タイムリーヒットを放つと、第3打席にもセンターへヒット。キャンプ、オープン戦と結果を残してきた中での故障離脱だっただけに今後の活躍に期待がかかる。
育成2年目の二俣翔一好調続く1軍にさらに追い風をもたらす活躍を見せてくれたファーム調整中の選手たち。長いシーズン必ず好不調の波はある。チームが苦しいときに救世主となる選手がこの中からきっと現れるはずだ。
ひろしまリード編集部