【カープ】一生懸命やれば道は開ける!後輩たちの大きな励み 大盛 穂(みのる) 選手
「ちょっと出来すぎかな」
照れ笑いするのは、育成出身で2年目の大盛 穂(みのる)選手。今シーズンの一軍スタメン起用について聞かれ、そう答えた。
広島ホームテレビ『ひろしま深掘りライブ フロントドア』では、今カープの野手で最もブレイクしている若鯉の大盛選手をフカボリ。育成から支配下をつかんだ今、一軍で活躍する姿を追う。
※以下データはすべて10月3日O.A.時現在
2018年ドラフトの育成1位でカープに入団。50m6秒フラットの脚力と得意とする守備で才能を発揮し、同期入団では唯一の育成選手だったにもかかわらず、ウエスタンリーグでチームの誰よりも多く出場機会を与えられた。
そして1年目の秋、見事支配下を勝ち取ると、2年目の今シーズンも開幕からウエスタンで好結果を残し、7月24日に一軍昇格を掴んだ。
「育成という一番下の立場。絶対に結果を残して自分が目立ってやろうと毎日思っていた」
同期への反骨心を力にプロで道を切り開いてきた大盛選手。初昇格から一度も降格することなく一軍にくらいつく中、自信を深めたのが巨人・菅野智之投手との対戦。
9月22日の初対戦では150キロのストレートを2塁打に。2試合目の対戦でも今度はスライダーをとらえ、3塁打をマーク。
入団会見で対戦してみたい相手として名前を挙げた日本を代表する投手からヒットを奪ったことが自信に繋がったという。
代打や守備固めの出場から徐々に信頼を得ると、ここにきてスタメンの起用も増え、最も多く任されているのが“1番”。
実は“1番”は静岡産業大学時代に志願した打順。
大学時代に大盛選手を指導していた萩原輝久監督によると「ランナーをかえす方ではなく、どんな形でもがむしゃらに塁に出てかえってくる、得点をするという方が向いているので1番にして下さい、と頼まれた。それからずっと1番で今のような活躍をしてくれていた」と振り返る。
大学4年でリーグの首位打者やベストナインにも輝いた大盛選手。
「それでも社会人野球から誘いがなかった。ところがカープのスカウトの方が熱心に評価していただいて本当に感謝している」と明かす萩原監督。
今年7月の一軍初昇格から48試合に出場し、打率.321。
「一生懸命やれば道は開ける。身近な先輩がプロの世界でがんばっていることは、後輩たちにとっても大きな励みになっていると思う」とも。
残り少なくなってきた今シーズン。大盛選手は「1試合でも多くスタメンで起用されるように、結果を残し続けたいと思う」と全力で駆け抜ける思いだ。
ゲストの野球解説者・里崎智也氏は、
「カープが3連覇した時の田中広輔選手のような躍動感と勢いを感じる1番バッター。広角にも打てるし、足の速さが魅力。ちょこちょこ当てるのではなく、バットをしっかり振ってくるところもさらに魅力」と期待を寄せる。
広島ホームテレビ
『ひろしま深掘りライブ フロントドア』(土曜13:00)10月3日放送
ライター 湯谷葉子