カープ新投手キャプテン 九里亜蓮投手「最多勝の昨年より進化を求める」
「開幕投手というのは特別なマウンド。先発ピッチャーとしてやっている以上、そこは目指してやっていきたい」と、開幕投手への思いをはっきりと口にしたのは、昨シーズン最多勝に輝いた九里亜蓮投手。広島ホームテレビ『ひろしま深掘りライブ フロントドア』では、9年目のキャンプで汗を流す九里投手をフカボリ。さらなる進化を求めて挑む今シーズンにかける思いを聞いた。
※データはすべて2月5日O.A.時現在 ※以下、(選手)敬称略
九里亜蓮投手
昨シーズン13勝を挙げ、自身初の最多勝に輝いた九里。先発投手陣の柱としてさらなる活躍が期待される今シーズン、託されたのが投手キャプテンという大きな役割。「しっかりと自覚と責任を持ってキャンプにものぞんでいる」という九里。練習中には、去年の新人王・栗林良吏投手が新たな球種として考えているツーシームを習得するために九里にアドバイスを求めていた。
「聞かれたからには、自分が持っている情報や技術を伝えたい。それが本当に栗林自身のものになればいい方向に行ってくれると思うので、そういう手助けができればいいかな」と早くも新投手キャプテンとしての役割を担っている。
そんな九里が今キャンプで自身のテーマに挙げたのが《投球フォームの改造》。その理由は最多勝を獲得しながらも自身の投球に全く満足していないからだ。「昨シーズンが終わった段階から映像を見直したり、課題を見つめ直した。調子が悪い時や力が入ってしまう時は、どうしてもフォームが崩れてしまい、思うようにボールが投げられなかった事もたくさんあった」と振り返る。
今キャンプのテーマ『投球フォームの改造』オフにはフォームを見直すため、マンツーマンで指導を受けることができる『スポーツ上達工房 上達屋』へ駆け込み、投げる時の姿勢を修正。「前傾になり過ぎないように、歩幅を少し短くした中で投げることによって、球威やボールの質の安定につながると考えている」という。「年々レベルアップしていかないと、しっかりとした成績を残せない」という思いから、さらなる進化を求める。
「年々レベルアップしていかないと」と、さらなる進化を求める
そしてもう一つ。九里が「スライダーの握りと投げる時のイメージや感覚を聞きに行った」というのは、キャンプ初日に視察に訪れた松坂大輔氏。日米通算170勝のレジェンドに、自らスライダーの投げ方を質問しに行った。「昨シーズン、スライダーに関しては空振りをとれた記憶もない。もう少し軌道を変えていけば投球の幅も広がるかなとイメージしている。スライダーが大きく膨らんでしまうとバッターに早く見切られたり、振ってくれなかったりすることも多いので、手が出てしまうスライダーを投げられればいいかなと思う」と分析。「松坂さんは真横に投げるより、縦気味の曲がるスライダーを投げられているイメージがあったので聞きに行った」と明かす。
「イニング数を投げることは1年を通して安定した投球をしているということ」最後に今シーズンの目標を聞くと「170イニング以上投げること」だという。「イニング数を投げることは1年を通して安定した投球をしているということ。1イニングでも長く投げさせようと思われるピッチャーにならないと達成できない数字だと思うので、いろんな意味合いが入った言葉だと思う」と力を込めた。
広島ホームテレビ『ひろしま深掘りライブ フロントドア』(土曜13:00) 2月5日放送
ライター 湯谷葉子