いつまでも!広島での豊かで貴重な野鳥との出会い 地球派宣言
広島湾へと流れる八幡川の河口付近。干潟に突如現れたのは、世界最速の猛禽類、ハヤブサです。
みずとりの浜公園に現れたハヤブサ近年では個体数が減っていて、環境省のレッドリストでは、絶滅危惧Ⅱ類に指定されています。どうやらエサであるカモやハトなど、小型の鳥を狙ってやってきたようです。
鳥類の生態調査や保護活動を行う日本野鳥の会 広島県支部メンバーの日比野政彦さんによると、バードウォッチングは様々な鳥に出会える冬がおススメとのこと。
カモ寒さが厳しくなればなるほどカモの数が多くなり、他にもカモメやサギなど、冬を代表する鳥が水辺に集まってきます
サギ ムクドリ「探鳥会に20歳代で初めて来てからとりつかれた。昔は毎週、今は毎月1回は必ずここで定期的に調査しています。」と日比野さん。
日本野鳥の会 広島県支部メンバー 日々野さんこの日、観察できた鳥の数はなんと52種類。50種類もの冬の鳥を見られる八幡川は、広島でも有数の探鳥地なのです。
カワウ メジロ先月、広島市佐伯区湯来町でも野鳥観察会が行われました。
湯来町での野鳥観察会
この日のお目当てはクマタカです。日本に生息するタカ類の中では最も大きく、翼を広げた時の大きさは約160cm。クマタカも環境省が絶滅危惧ⅠB類に指定する希少な鳥です。
クマタカ 撮影:桑野 修さん
しかし、近隣で予定されている風力発電施設の設置計画により、その存続が危ぶまれています。計画は山の尾根に巨大な羽を持つ風力発電機30基あまりを設置するというもの。クマタカの活動エリア1km以内で予定されているため、生息に深刻な影響を及ぼすことが心配されています。
近隣で風力発電機の設置計画が野鳥の会メンバーの上野吉雄さんは「風力発電機に色々な野鳥が衝突死する事故がたくさん報告されています。生息地放棄などの事例もあるので、そういうことがないように見守っていきたい」と話します。
野鳥への影響を心配する上野さん
なかなか出会うことが難しいクマタカ。この日、現れたのはほんのわずかの間でしたが、野鳥の会のメンバーは見事その姿をとらえることができました。
悠々と大空を飛ぶクマタカ 撮影:桑野 修さん
希少な鳥たちとの出会い。これもバードウォッチングの醍醐味。そして、いつまでも、様々な種類の鳥たちとの出会いが続くようにしたいものです。