幻の魚の人工授精に挑戦【地球派宣言】
2022.01.07
2022.01.12
広島市西区観音新町のマリホ水族館。渓流を再現した大きな水槽で泳ぐのは、広島県の天然記念物「ゴギ」です。
マリホ水族館広島県指定の天然記念物 ゴギ
イワナの仲間で中国地方にのみ生息する非常に珍しい魚ですが、現在、水族館ではこのゴギの生態を守るための取り組みとして「人工授精」を行っています。
メスの体内から卵を取り出し、オスの腹を絞って精子を直接かけ受精させます。
卵の取り出し
次々とメスの体内から卵を取り出そうとしますが、既に卵を産んでしまった個体も多く、中々うまくいきません。
産卵期を見分けるのが難しい中、タイミングが大切なようです。
人工授精の様子
受精させた卵は素早く水槽に戻します。今回、取り出せた卵はほんのわずかではありましたが、ここまでは順調だったようです。
水槽に戻された受精卵
この人工授精の取り組みも今回で4回目。1回目は赤ちゃんが誕生し、1年半にわたり成長しましたが、2回目と3回目のチャレンジでは、ふ化に至りませんでした。まだまだ課題の多い取り組みです。
人工授精した卵は、水温や水質に気を付けながら水槽の中で育て、順調にいけば2~3ヶ月後には新たな命が誕生します。
受精卵
宇井賢二郎館長は「うまくいきたいですね。お客さんに命の展示はいいねと思われるようになりたいと思います」と話します。
マリホ水族館 宇井館長
白く輝く真珠のような卵から元気な赤ちゃんが生まれるといいですね。
新たなゴギの誕生が望まれます