打率・セ2位のカープ坂倉将吾「5年目で打撃覚醒のワケ」と「捕手としての覚悟」を聞く
「4番?できれば避けたい(笑)」と冗談めかして話すのは、今季大きな飛躍を遂げた坂倉将吾選手。来季期待のかかる打順に対してそう答えた。
広島ホームテレビ『ひろしま深掘りライブ フロントドア』では、プロ5年目の坂倉選手をフカボリ。打率成績セ・リーグ2位と飛躍の一年となった2021年。打撃覚醒のワケと捕手としての覚悟について聞いた。 ※データはすべて12月4日O.A.時現在 ※以下、敬称略
坂倉将吾選手
開口一番「今年はいろんな経験ができた」と言う坂倉。一番の成果は9月7日の中日戦、人生初のサヨナラHRを放った試合で“規定打席に到達”したことだという。同時に「ケガなく1年終われたという証でもあると思うので良かったと思う」と話す。
プロ5年目の今季は、自己最多の132試合に出場すると打率はセ・リーグ2位となる.315を記録。トップの鈴木誠也とわずか.002差と、最終戦まで首位打者のタイトルを争った。「こんなに打てると思っていなかった。大きく意識した数字ではなかったが、結果的に数字として残ってくれて嬉しいと思う」と坂倉。また割り切りや切り替えの仕方、ピッチャーに対しての入り方などを会得し、数多く打席に立った経験が財産にもなったと振り返る。
笑顔を交え今季を振り返ってくれた坂倉選手
さらに今季は、対左投手の成績が大きく改善。「昨年あまり左ピッチャーが打てなかったので、何かないかなとYouTubeといった動画サイトを視聴。メジャーリーガーの左バッターとか、とにかくいろんな選手の動画を見た」と明かす。研究の末、左ピッチャーの打席時は構えをオープンスタンスに。その結果、今季は過去2年(2019年.125/2020年.228)の成績に比べ、飛躍的に左投手との対戦成績(.324)が伸び、対右投手(.311)よりも打率が上回った。
守備では、ファーストとしての出場が57試合と、キャッチャー(53試合)に比べ4試合多い結果となった。秋季練習ではサードの守備にも挑戦した坂倉だが、「キャッチャーは一番試合を左右するポジション。その達成感と重圧が自分の中では大事になっているので辞めたくはない」ときっぱり。キャッチャーへの強いこだわりを示す。
「キャッチャーは一番試合を左右するポジション。その達成感と重圧が自分の中では大事になっている。」
言い換えれば、本職以外の場所でも必要とされる選手へと成長を遂げた証。ここ数年主軸としてチームを支える鈴木の去就次第では、4番としての期待も膨らむ。「実際に4番に立ったわけではないが、今年5番を打って4番の重さ、苦しさが見えたので、それと戦うにはちょっと…」と弱気になりながらも、「4番はいいバッターが打つ打順ではあるので、もし打つことになれば光栄なことだと思う」とも。
「来季、まずはチームとしてリーグ優勝、日本一が第一目標。泥臭く必死にそこに向かってやっていたい。個人としてはケガなく1年フル稼働で戦えるようにしっかり準備をしていきたい」と目を輝かせた。
広島ホームテレビ『ひろしま深掘りライブ フロントドア』(土曜13:00) 12月4日放送
ライター 湯谷葉子