【広島雑学】知ってるようで知らない五円玉のデザイン 、広島で作る「貨幣の元」
今回訪れたのは、佐伯区五日市にある造幣局広島支局。
広報の田中雅也さんに造幣局にまつわる雑学を教えてもらいました。
造幣局は今年(2021年)創業150周年を迎えました。
創業開始は大阪で、現在は、大阪・埼玉・広島で貨幣を作っています。
展示室には、小判をはじめ貴重な貨幣がズラリ並んでいます。
展示室
貨幣は、5円と50円だけ穴が空いています。
これは、ほかの貨幣との識別をしやすくするためと、偽造防止や経費削減の観点からこの形が採用されたといわれているそうです。
硬貨にはさまざまな模様が描かれています。
その中で五円玉に描かれているデザイン、何かわかりますか。
ここで問題!
|五円玉にはあるデザインが3つ描かれています。1つは「稲穂」、2つめは「水面」。
そして3つ目。このデザインはいったい何でしょう?
こたえ:「歯車」
五円玉には 稲穂、水面、歯車が描かれている
五円玉のデザインは、当時の日本の産業を象徴しています。
それぞれ「稲穂」が農業、「水面」が水産業、そして中心にえがかれた「歯車」が工業を意味します。
当時の貨幣のデザインは、日本人になじみの深い植物や建物だけでなく、当時の社会状況が反映されているものがあるんですね。
次にやって来たのは工場内。
溶解工程
ここでは貨幣の素材を溶かして金属の塊をつくる「溶解」という工程を行っています。
今は銅・亜鉛・すずを溶かして10円玉の素材である青銅を作っているところです。
ところで「ギザ10」って聞いたことありますよね。
「ギザ10」は昭和26年から33年までの7年間だけ作られていた貨幣なんです。(昭和31年は製造なし)
当時、日本には最高額面の貨幣にギザギザをつけるという決まりがありました。
その後、100円銀貨の製造が開始され、識別のため、「ギザ10」の製造は中止になったそうです。
圧延工程
金属の塊がでてきました。
「圧延」といって、金属の塊を貨幣の厚さに延ばす工程です。
先ほどの「溶解」と、この「圧延」という工程は、ここ広島の工場でしか行っていないそうです。
貨幣の元となる素材を作って、他の造幣局に送っています。
こうして毎日貨幣を製造している造幣局ですが、「ある出来事」があった年、その製造枚数が激増しました。
ここで問題!
|貨幣の製造枚数が激増した“ある出来事”とは、いったい何でしょうか?
こたえ:「消費税の導入」
消費税の導入に伴って、買い物などで貨幣が良く使われるようになったからなんです。
特に増えたのが1円玉の製造で、消費税が導入される前後を比べるとその差は歴然。11億枚も多く製造してたんです!
消費税の導入で貨幣の製造枚数が激増
貨幣の製造枚数も、当時の社会情勢と深く結びついているんですね。
広島から全国へ、そんなお金の雑学でした。
コロナ禍で中止していた工場見学を、11月22日から再開しています。
興味のある方は足を運んでみてはいかがでしょうか。
造幣局 広島支局
〒731-5128
広島市佐伯区五日市中央6-3-1
https://www.mint.go.jp/
※見学は予約制。詳しくはHPでご確認ください。