広島 冬の味覚『カキ』 不漁の原因は?【地球派宣言】
広島の冬の味覚といえばカキです。
山と海に恵まれた広島県だからこそ、おいしいカキが育つといわれています。「冬に寒さが厳しいと、カキがおいしくなる」と、聞いたことはありませんか?
今年は、記録的な暖冬で、カキが不漁という話もききます。実際に市場へ行き話を伺うと、「大粒のカキがなく、例年より小粒で、近年で一番、生育が悪いのだといいます。やはり、暖冬の影響か、カキの生育が良くないとのことでした。
廿日市市沖のカキは、近年にないくらい生育が良かったそうですが、東広島市沖のカキは、昨年の半分程度しか取れず、身も小さいとのことでした。
なぜ、西と東の海で、カキの出来にばらつきがあるのでしょうか。
そこで廿日市市にある国の水産研究所を訪ねました。
研究員の浜口さんが見せてくれたのは、特殊な溶液を入れると、カキの幼生が発光する検査方法。毎年、夏の産卵期に、広島湾の海水の中に、どれくらいのカキの幼生がいるか調べているそうです。
一般的にカキは、3年前に採苗して育てたものが出荷されています。今年のカキ不漁の原因は、3年前が採苗不漁だったことや、去年の秋以降、水温が高くエサが少なかったことなどが原因だといいます。※「採苗とはカキの幼生を取ること」
また生育に地域差があったのは、エサが多い場所と少ない場所があり、幼生が取れた地域にも、ばらつきがあったからだそうです。
では、なぜ幼生が少なかったのでしょうか。
地球温暖化による近年の異常な暑さや集中豪雨などの影響で、幼生が死滅したり、エサが流されたりしたことが原因だといいます。
浜口さんは「地球温暖化に対する手立てをしないと、このままでは広島でカキは取れなくなるかもしれない」と話します。
広島ホームテレビ『みみよりライブ 5up!』
地球派宣言コーナー(2020年2月26日放送)