【カープ道】実況アナが赤裸々告白 放送現場の裏話、名場面の裏に隠されたエピソード

名場面の裏にはマル秘エピソードあり。今回の広島ホームテレビ『カープ道』は、試合の模様をリアルタイムで伝える野球中継にスポット。生で実況する放送現場の裏話から、名場面の裏に隠されたエピソードまでを紹介する。

講師に迎えるのは、広島ホームテレビの吉弘翔(よしひろ しょう)アナ。今年の広島ホームテレビ『カープ応援中継 勝ちグセ。』全12試合の内、7試合の実況を担当した吉弘アナに、ここでしか聞けないとっておきの話題を提供してもらい、『カープ応援中継 勝ちグセ。』が伝えた1年を総決算する。

広島ホームテレビ 吉弘翔アナ(左) 広島ホームテレビ 吉弘翔アナ(左)

 

「It’s 翔 time!」と意気揚々と登場した吉弘アナ。「2021勝ちグセ。ニュース」として最初にあげたのは、5月3日の巨人戦。この日は今年、吉弘アナの本拠地マツダスタジアム実況初登板の日。HRを放った鈴木誠也選手の打順を「4番・・・ではありません。3番鈴木が逆転2ランHR」と、危うくミスしかけたところを回避したエピソードを披露した。

 

7月には、なかなか勝ち試合をお届けできない吉弘アナが、「運気UP」に挑戦。風水の視点から白い馬のアイテムを勧められた吉弘アナは、プロデューサー直筆の白い馬の絵を実況席に持参。そのラッキーアイテムとともに迎えた七夕の試合(DeNA戦)は、中村奨成選手のマツダスタジアム初HRという嬉しい記念アーチが生まれたが、結果は3対3の引き分け。「ただ、その後の中継は、この引き分けを合わせて4勝1敗1分」と運気が変わったことを明かす。

中村奨成選手のマツダスタジアム初HR 中村奨成選手のマツダスタジアム初HR

 

9月には今季初の名場面を『カープ応援中継 勝ちグセ。』がお茶の間に伝えた。9月7日の中日戦。今季初のサヨナラ勝利を収め、サヨナラHRを放った坂倉将吾選手がお立ち台で「最高で〜す」と雄叫びをあげたのは記憶に新しい。しかしそのヒーローインタビューを担当した吉弘アナにとんでもないことが起こっていた。

 

「9回表が終わった時点でカープが4点ビハインド。何も起こらなければヒーローインタビューの相手は中日。中日の広報に電話で選手確認もし、ビジターチームの三塁側カメラマン席で待機していた」。ところがこの裏、連続ヒットで打線がつながり始め、2点ビハインドのランナー2塁・1塁で坂倉選手に打席が回ってきた。打球はなんとライトスタンドへ一直線。インタビューの相手はカープ選手に変わった。

 

「普通ならグラウンド裏の関係者通路を使って1塁側に行けばいいが、いま感染対策で通路は塞がれて使用不可」。これは歓喜の中の大ピンチ。「そこで、もしもの場合はグラウンドに出ましょう、とコロナ禍になった頃にカープ広報担当から言われたのを思い出した。坂倉選手がダイヤモンドを一周し、審判がホームを踏んだのを確認して退いた時がチャンス。引き下がっていく中日ベンチの横からちょっと小走りに出ていき、一塁側へ行った」と小走りを再現する吉弘アナ。「坂倉選手はファンからサクラと呼ばれている。この日は“秋の夜空に咲いたサクラ”。自分が実況だったらこう言いたかった」と付け加えた。

小走りを再現する吉弘アナ 小走りを再現する吉弘アナ

 

最後に、吉弘アナの魂が一番揺さぶられた2021年のワンシーン<吉弘SOUL 2021>は、8月29日の阪神戦。約2年間カープに勝ちがなかった先発の秋山拓巳投手から、鈴木選手がHRを放ったシーンを選んだ。

8月29日の阪神戦 鈴木誠也選手の2ランホームラン 8月29日の阪神戦 鈴木誠也選手の2ランホームラン

「鯉の主砲・鈴木選手が苦しめられ続けている阪神・秋山投手を打って先制の2ランHR」と話した。また「個人的な感想だが、実は鈴木選手、私が実況する試合で結構HRを打っている」とにっこり。こちらも“白い馬”効果なのだろうか?

 

広島ホームテレビ『カープ道』(水曜深夜) 11月24日放送

ライター 湯谷葉子

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